河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

大問3題のすべての設問で、必要な記号は定義したうえで、考えの筋道も書くように要求されている。第1問の力学は、滑り台上から飛び出す物体の放物運動がテーマである。運動方程式と等加速運動の基本ができていれば容易に解けて、分量も少ないので難易度はやや易。なお、数値計算の設問も1問あるが、簡単に結果が出るように設定されている。第2問は電気分野から、平行板および多重極板コンデンサーの問題である。コンデンサーが苦手な受験生が多いなかで、さらに多重極板上の電荷分布やエネルギーの考察といった高レベルの設問を含むため、難易度は難。第3問は熱分野で、物体を上昇させる熱機関の問題である。単原子分子理想気体の内部エネルギーの変化や、定圧変化での気体の仕事が基本どおりに求められれば難しくなく、計算量も多くないので、難易度は標準。

2018年度入試対策・学習アドバイス

まずは土台固め

基礎知識の理解を問う問題に加えて、柔軟な応用力を試される問題も少なくない。曖昧な理解では高得点が望めない。土台が肝心なので、まずは標準的なテキスト・問題集を繰り返し学習して、基本問題が確実に解けるようにしたい。基礎知識を繰り返し確認しながら応用力をつけていこう。基礎の理解度に比例して応用力も発揮される。2017年度の多重極板の問題も、結局は電荷がつくる電場についての重ね合わせの原理やガウスの法則の正しい理解ができているかどうかで決まる。この理解が曖昧だと、高度な問題では歯が立たなくなってしまう。

時間内に問題を解き切る練習も必要だ。問題文の重要な箇所を押さえる練習もしよう。物理量の定義や数値、装置の設定や条件などの重要箇所は、下線を引くなりしておくとよい。答案には考えの筋道も書かなければならないため、問題練習のときも解答をノートなどに書くようにしたい。文字の定義(例えば、「物体の質量をとする」)や、根拠となる法則の名称(例えば「運動量の保存より」)を明記しよう。何をやろうとしているのかが自分でもはっきりわかる。説明・論述の設問が出題されることもあるので、簡潔な文章を組み立てる練習もやっておきたい。自分がわかっていなければ説明できるものではないが、さらに踏み込んで、読む人が理解できるように心がけたい。

応用力を養って合格圏内に

2011年度の浮沈子の問題、2013年度のらせん軌道の作図、2015年度の導体球殻、2017年度の多重極板上の電荷・分布エネルギー分布のような目新しいユニークな出題もよくある。応用問題での得点力を高めるには、自力で問題を解く練習が欠かせない。すぐに解けなくても、忍耐強く考え抜く習慣を身につけよう。また、模試などを受けた際、できなかった問題は後で必ず解き直そう。失敗の原因をよく分析しておくことも大切である。知識不足、計算ミス、問題文の読み間違い、応用力不足、法則が使える条件の誤り(例えば、非弾性衝突なのに、力学的エネルギー保存の式を立ててしまったなど)、時間切れなどが考えられるので、よく検討して対策を立てよう。知識不足なら、教科書・参考書の該当箇所を読み直すこと。計算ミスに対しては、はっきり文字を書くように心がけることも予防のひとつである。失敗からも教訓を引き出して、実力向上に役立てよう。