河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

理学部コア試験の第1問は、グラスの半球面内を等速円運動するビー玉の問題である。ほとんどが典型的な標準問題である。グラスを手で支えるときに手が受ける力を問う目新しい設問も含まれているが、グラスに働く力のつり合いを考えれば難しくはない。第2問は、磁場内の粒子の等速円運動を扱う。丁寧な誘導やヒントもあり、難易度は標準であるが、粒子の軌跡を描きながら位置座標などを慎重に計算する必要がある。第3問は、光ファイバー中の光線の屈折を扱う標準的な問題である。前半は易しい基本問題で、後半は計算量がやや多くなる。次に、理学部プラス試験の第1問は、重力加速度の測定についての考察を問うユニークな設問である。具体的な装置の説明や精度を高めるための工夫などが求められており、実験考察についての学習が必要だ。第2問は、3次元空間内の荷電粒子の運動がテーマである。重力による運動に始まって、電場、磁場が加わる。設定はシンプルであるものの、空間内での粒子の軌跡を描いていく必要があり、やや難度が高い。なお、コア試験、プラス試験とも、結果だけでなく考えの道筋も書かなければならない。論述の練習をしっかりしておく必要がある。

2019年度入試対策・学習アドバイス

力学の基礎は力図

まず、物体に働く力のベクトルを過不足なく書き込むことが第一の必須手順である。このとき、どの物体に着目したのかを明確にすること。また、物体相互で及ぼしあう力は、常に作用・反作用の関係にあることを意識しよう。次に、力のつり合いや運動方程式を立てる場合、着目する方向を明確にしよう。例えば、糸をつけた小球の鉛直面内の円運動で、遠心力を取り入れた場合、半径方向の力はつり合うが、接線方向はつり合っていない。さらに、重要項目である力学的エネルギー・運動量保存の法則の適用条件も確認しておきたい。非弾性衝突や摩擦熱が発生する場合は、力学的エネルギーは減少する。また、物体系において、物体相互で及ぼしあう内力のみ働き、外力が働かなければ全運動量は一定に保たれる。

電場・磁場をマスターしよう

電磁気分野の土台である電場と磁場の概念を確実に理解したい。最初は抽象的でつかみにくいかもしれないが、力学と同じように、電荷が受ける力の図を丁寧に書き込んでいく習慣をつけよう。図を描いたり計算を重ねたりするうちに次第にイメージができ上がってくるだろう。電場がよく理解できれば、回路素子のコンデンサーの仕組みもよくわかり、応用力もついてくる。一通り、回路の学習が終わったら、また電場の復習に戻り、繰り返し精度を上げていこう。2回目には、1回目に十分理解できなかったところを征服しよう。

作図に習熟して波動に強くなろう

特に波の分野では、図を多用する。縦軸を変位に取った波のグラフは2種類ある。横軸が時間の場合は位置を固定したものであり、特定の媒質の振動の様子を表す。横軸が位置の場合は、時間を固定したものであり、ある瞬間の波形を示す。また、光波の屈折の問題も、大部分は幾何の問題に帰着する。入射光線と境界面の法線となす角が入射角であり、入射光線に垂直な波面が法線となす角とは異なることなどにも注意したい。屈折の法則やレンズの公式などを、図と式を合わせてカードにまとめておくのも有効だ。