河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

2017年度までは記述式で説明問題も多く見られたが、2018年度よりすべて5択のマーク式に変更された。出題範囲は物理・物理基礎である。大問5題で、第1問が小問集合で力学、電磁気、波動、熱力学、原子の全分野から各1問ずつ出題された。第2問が力学で小物体がばねで押し出され摩擦面を通過し台上から水平投射される様子を考えるものであった。第3問が電磁気で電流がつくる磁気作用および磁場内の荷電粒子の運動を考えるものであった。第4問が波動で弦と気柱による固有振動における共鳴条件を考えるものであった。第5問が熱力学でPV図を用いた気体の状態変化の読み取りや等温変化と断熱変化を比較するものであった。全体として基礎から標準レベルの問題であり計算量は多くない。一方で法則名を答える設問や、現象を問う正誤問題が複数出題されており、公式の暗記だけでは対応が難しい設問がある。試験時間が60分なのに対し、設問数が25問あるため手際よく解答していかないと時間的に厳しいものと考えられる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

物理の入試問題を解くことは、問題文を正確に読み、問題の設定情報を整理し、解答のために必要な法則・公式を正しく見極め式を立て正確な計算を行うことである。物理の学習で受験生が最も身につけねばならない学力とは、設定情報から必要な法則・公式を見極める力である。学習の初めに基本公式を覚えることは必要不可欠であるが、式を覚えるだけでなく、その公式がどのような状況で使えるものであるかを把握することが大切である。法則・公式の使える状況を把握するには、その関係式の意味合いや導出過程を理解することが必要である。この学習には教科書を利用するとよい。手始めとして教科書の例題を解くことから始めるとよい。例題を解き、疑問に感じた内容に関して教科書の該当箇所を読みながら復習することが大切である。桜美林大学では現象を問う設問が多いため、教科書に記載された図や写真をよく見ることで理解を深めるとよい。また、物理の学習では内容を目で追うだけではわかったつもりであるが理解が不十分になりやすい。説明に書かれた図や計算を自分で紙に書きながら確認することをおこたらないことが大切である。教科書で一通り基礎事項の確認ができた後は、教科書の傍用問題集で基礎~標準レベルの問題を解き、理解を深めるとよい。また、現象を問う問題の対策としてセンター試験(物理・物理基礎)の過去問演習が役に立つ。桜美林大学の入試問題では、5つの選択肢に書かれた文章から正しいものや誤りのある文章を選ぶ問題が複数出題される。このような問題は公式の暗記だけだと歯が立たない。それぞれの物理現象に対する正確な理解が求められる。過去問演習をする際には、それぞれの選択肢文章に関連する教科書の該当箇所で、基本事項を一つひとつ確認することが大きな実を結ぶであろう。単元別に見ると、力学では力学的エネルギー保存則、摩擦力の仕事や衝突における運動量保存則と反発係数の式の連立、電磁気では回路におけるキルヒホッフの法則、コンデンサー回路における電気量保存則や電磁誘導の法則、波動ではドップラー効果、共鳴と固有振動や干渉、熱力学では熱量の保存や熱力学第1法則、原子ではX線の発生や放射性崩壊と半減期などをしっかりと学習しておこう。