河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2018年度入試の問題分析

医学部は試験時間120分(理科2科目)、大問4題のマーク式で、マーク数は24。標準的な問題を中心に、やや難度の高 い設問を含む。大問別の内容は、【I】基礎法則に関する知識問題、結晶、単分子膜に関する計算問題。【II】格子エネルギーを題材に、各種の反応熱に関する問題。【III】オゾン分解を含むエステルの構造決定問題。【IV】合成ゴム、およびアミノ酸の混合液の分離を含む陽イオン交換樹脂に関する問題。薬学部は前期、後期ともに試験時間70分、大問5題のマーク式で、マーク数は前期27、後期29。基本的問題を中心とするが、特に有機分野の問題では、標準的設問が含まれている。前期の問題内容は、【I】原子の構造、化学結合などに関する問題。【II】結合エネルギーをテーマとする計算問題。【III】銅とその化合物に関する問題。【IV】エステルを題材に脂肪族化合物の性質や異性体などを問う内容。【V】核酸に関する問題。後期の問題内容は、【I】各種の分離操作に関する問題。【II】反応速度と化学平衡。【III】水酸化鉄(III)のコロイドを題材とする内容。【IV】金属イオンの分離。【V】芳香族化合物に関する総合問題。

2019年度入試対策・学習アドバイス

有機分野の強化が重要

2018年度の薬学部の後期は1題であったが、薬学部では、有機分野から大問2題が出題されることが多い。2016年度に新設された医学部では、有機分野から大問2題の出題が続いている。薬学部、医学部いずれも、有機2題のうち1題は、糖、アミノ酸、タンパク質、酵素、核酸などの天然高分子に関連するテーマであることが多く、医薬品あるいは合成高分子をテーマにした問題の場合もある。もう1題は、構造決定の問題、あるいは異性体に関する問題である場合が多い。これら有機分野の問題のなかには、やや取り組みにくい設問が含まれる場合がある。ただし、薬学部では基本から標準的内容を中心としているので、まず基礎をしっかり固め、そのうえで標準的問題の練習により、基本から標準的設問は確実に得点に結びつけられる学力を養っていくことが重要になる。医学部はやや発展的な問題演習をめざしてほしい。また、高分子化合物の分野は、学習が遅れがちになるかもしれないが、出題される傾向にあることを認識し、基礎の徹底習得に努めるように。さらに、異性体を手際よく求められることや、構造決定問題の練習を重ねることも大切になる。知識問題のほか、計算問題が1問あるいは2問程度含まれてくることが多いので留意するように。

反応速度、化学平衡も重要分野

薬学部では前期、後期の少なくともいずれかで出題されることが多い。なかでも電離平衡が出題されることが少なくない。薬学部での問題内容は基本的設問の出題率が高いので、基礎の充実がまず大切である。医学部では標準的問題演習で学力を高め、発展的な問題演習にも心がけたい。無論、これら以外の理論分野の学習も大切である。特に医学部では、教科書の発展内容が題材にされることもあることを念頭に、幅広い学力向上に努めたい。

無機分野は基礎の強化

無機分野は、基本問題を中心に出題される傾向にある。したがって、一般的にも頻出な金属イオンの反応や性質、気体の製法や性質、無機化学工業など、一通り基礎知識を習得しておきたい。