河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

医学部は試験時間120分(理科2科目)、大問4題のマーク式で、マーク数は28。標準的な問題を中心に、やや難度の高い設問を含む。大問別の内容は、【I】金属元素の同定をテーマに、触媒、合金を含む知識問題が中心。【II】アレニウスの式を題材に、主に計算問題からなる。【III】芳香族化合物の混合溶液の分離操作を題材に、医薬品を含む知識問題が中心。【IV】メチル化されたアミロペクチンの加水分解に関する問題が中心。薬学部は前期、後期ともに試験時間70分、大問5題のマーク式で、マーク数は28。基本的問題を中心とするが、特に有機分野の問題では、標準的設問が含まれている。前期は、【I】周期表と元素の性質、結晶などに関する知識問題が中心。【II】水の状態図を題材に、知識問題が中心。【III】オストワルト法に関する問題。【IV】フェノールの合成や性質などを問う内容。【V】糖をテーマに、浸透圧などの計算問題を含む。後期は、【I】単体の性質などを問う内容。【II】ダニエル電池と鉛蓄電池。【III】気体の法則。【IV】芳香族化合物の混合溶液の分離操作を題材とする知識問題。【V】合成高分子全般に関する内容。陽イオン交換樹脂に関する計算問題を含む。

2018年度入試対策・学習アドバイス

有機分野の強化が重要

薬学部の問題では、有機分野から大問2題の出題が続いている。2016年度に新設された医学部でも、有機分野は2016年度に続いて2題出題された。これら2題のうち1題は、糖、アミノ酸、タンパク質、酵素、核酸などの天然高分子に関連するテーマであることが多く、医薬品あるいは合成高分子をテーマにした問題の場合もある。もう1題は、構造決定の問題、あるいは異性体に関する問題である場合が多い。2017年度では、芳香族化合物の混合溶液の分離操作を題材とする問題が両学部ともに出題されている。これら有機分野の問題のなかには、やや取り組みにくい設問が含まれる場合がある。ただし、薬学部では基本から標準的内容を中心としているので、基本から標準的設問を確実に得点に結びつけられる学力を養っていくことが重要になる。医学部はやや発展的な問題演習をめざしてほしい。高分子化合物の分野は出題される傾向にあることを認識し、基礎の徹底習得に努めるように。また、異性体を手際よく求められることや、構造決定問題の練習を重ねることも大切になる。さらに、知識問題のほか、計算問題が1問あるいは2問程度含まれてくることが多いので留意するように。

反応速度、化学平衡も重要分野

反応速度や化学平衡は、薬学部では2017年度で見られなかったものの、前期、後期の少なくともいずれかで出題されることが多い。なかでも電離平衡が出題されることが少なくない。薬学部では基本的設問の出題率が高いので、基礎の充実がまず大切である。医学部では標準的問題演習で学力を高め、発展的な問題演習も心がけたい。無論、これら以外の理論分野の学習も大切である。特に医学部では、教科書の発展内容が題材にされることもあることを念頭に、幅広い学力向上に努めたい。

無機分野は基礎の強化

無機分野は、基本問題を中心に出題される傾向にある。したがって、一般的にも頻出なイオン反応や気体の製法・性質、無機化学工業など、一通り基礎知識を習得しておくようにしたい。