ゼミ・研究室の特徴、取り組み、特色などを掲載しています。

ゼミ研究室

システムデザイン学部
知能機械システムコース 諸貫研究室(分野:機械工学)

固体表面にミクロ領域の微細加工を施し特定機能を付加した新たな価値を創造する

Profile システムデザイン学部 諸貫 信行 教授

東京都立大学(現:首都大学東京)大学院工学研究科修士課程修了。日本楽器製造(株)(現:ヤマハ)勤務を経た後、東京都立大学で工学博士取得、同助教授を経て2005年より現職。専門分野は精密機器に関する研究から微細加工と表面機能など。

高校生・受験生へのメッセージ

実験では、観察する能力がないと結果が得られません。単に機器が示す数値だけに頼るのではなく、五感を研ぎ澄まして観察することが大切です。観察力を身につけ、いろいろなものに興味を向けて、広い視野を持ってください。

ミクロン単位の細かな表面加工で新たな機能をもたらす

工学系の幅広いテーマの研究室が集まる知能機械システムコースにあって、ミクロ領域の加工と機能を対象にしているのが、諸貫信行先生の研究室だ。

「簡単に言えば、固体表面の微細加工で特定機能の付加価値をもたらす研究です。例えば、滑る・滑らない、濡れる・濡れない、光が反射する・反射しない、などの機能を持たせることで、様々な工業製品に付加価値をつけることができます」

諸貫研究室で扱う固体表面の加工は、非常に小さいサイズの領域だ。ミリメートル単位から、ときにはナノメートル単位のものまで手がけているという。

「例えば、ヤモリの指には1ミクロン以下の細かい毛のような構造があり、それで垂直の壁を登ることができます。ヤモリテープの開発は世界中の研究者がめざしていますが、まだ実現していません。こういった微細な構造を人工的につくり、新たな機能を生み出す研究を行っています。研究には、特定の機能をいかにして生み出すかということと、それをどう実現するかという2つの面があります。構造を思いついても、つくる術がなければ役に立ちません。1ミクロン以下の加工は古典的な手法では難しく、その加工方法も工夫しなければなりませんし、計測装置などがなければ自作することもあります」と、諸貫先生は言う。

乾きやすく滑りにくい床材を企業との産学連携研究で開発

諸貫研究室の研究範囲は多岐にわたり、独自研究のほかに多くの産学連携研究を行っている。

「例えば、お風呂の床材メーカーとの共同研究では、まず速乾性を目的に開発を行いました。さらに日本のお風呂の場合は濡れた状態で歩くことも多いので、濡れていても滑りにくい構造も加えました。FRP樹脂の表面に、乾きやすく滑りにくくするための細かい凹凸パターンを施したのですが、凹凸の高さは100ミクロンを下回る程度。このサイズだと金型を使って転写することができるので、大量生産にも向きます」

このほか、再生医療分野では、培養した細胞シートをはがしやすくするための構造を開発中。逆にインプラントや人工関節には、表面に細胞がつきやすい構造を施して、体内で組織と融合しやすいような工夫がなされている。また銀を物体表面に薄く塗布することで抗菌作用をもたらすような、機能塗装の研究も手がけている。

論理的思考と表現力を研究室の活動で身につける


走査型電子顕微鏡を使って、ミクロ領域
の物質を観察し実験を進める

諸貫研究室の活動は実験が主体となる。4年の学部生は4~5名の少数精鋭で、その大半が大学院に進学するという。

「可能な範囲で、学生の希望に沿った研究テーマに取り組めるように指導しています。実際、学生の柔軟な発想から、新しいものが生まれてくることもありますから。また大事なのは、論理的思考と表現力。それは研究室活動のなかでも、常に意識して指導しています。論理的でわかりやすく説明する能力は、社会に出てからも役に立つ素養なのです」と話す諸貫先生は、次のようにも語った。

「幅広いテーマを扱うのが知能機械システムコースです。いろいろな研究室を覗いて、興味ある分野を見つけてください」