ゼミ・研究室の特徴、取り組み、特色などを掲載しています。

ゼミ研究室

都市環境学部
自然・文化ツーリズムコース 観光情報研究室

旅行者の視点に立ち本当に旅行者に役立つ情報を生み出す

Profile 都市環境学部 倉田 陽平 准教授

1977年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同修士課程修了。米国メーン州立大学空間情報理工学科博士課程修了(Ph.D)。その後、ドイツ・ブレーメン大学研究員を経て、2010年より現職。専門は観光情報学・空間情報科学。

高校生・受験生へのメッセージ

日本は今、その魅力が改めて評価され、外国からの旅行者が急激に増えるという激変の時代を迎えています。しかし、日本を売り込むための人材はまだ不足しています。ぜひ私たちと一緒に日本の観光に新しい風を起こしましょう。

旅行者の行動を分析し、旅行者に役立つツールを開発

20代の頃はバックパッカーだったという倉田陽平先生。当時から「自分の知っている情報を生かして旅慣れていない人に旅の魅力を伝えたい」と思っていたという。「それと自分以外の旅行者がどういう行動をしているかも気になっていた」と笑う、倉田先生の研究室では現在、「旅行者に対する情報支援」を行うための研究が行われている。

「具体的には旅行者の行動分析と旅行者支援ツールの作成という2つの研究を行っています。例えば、写真共有サイトに位置情報つきで投稿された写真を分析。旅行者と思しき人が撮影した写真を地図上に表示して実際に旅行者がよく足を運ぶ場所を可視化したり、動物園へ行ってGPSを使った来園者の行動分析を実施したりしています」

自然・文化ツーリズムコースは、理系をベースにして観光を科学することを目的とした日本で唯一のコース。センサを使ったり、SNS上のデータを分析したりと、その分析手法にこだわっているのも特徴のひとつだという。

「一方、支援ツールの開発で今、力を入れているのは『CT-Planner』という旅行プラン作成支援ツールです。このツールの強みは、システムが地図上に表示した『たたき台』を見ながら、観光案内所の窓口で相談するように利用者が自分で旅行プランをデザインできるところ。どうしても誘致する側の視点に立ちがちな行政や企業が提供するサービスと違い、とにかく観光客に役立つサービスをつくりたいという思いで取り組んできた結果、最近は、ホテルや駅の案内所などにも導入されるようになりました。今後はソーシャルメディアをもっと活用して、例えば、期待はずれだった観光スポット情報など、ネガティブだけど観光客にとっては有益な情報の可視化などにも挑戦したいですね」と、倉田先生は説明する。

ユニークで新しい研究に自信を持って取り組んでほしい


「ツーリズムEXPOジャパン2015」で
旅行プラン作成支援ツール「CT-
Planner」の説明をする学生たち

倉田先生が「旅行が好きな人はもちろん、新しいことが好きな人、人とはちょっと違うことがしたい人におすすめ」と太鼓判を押す観光情報研究室では、「皆が自由にテーマに取り組んでいるのが特徴」という先生の言葉通り「宿泊施設の『隠れ家』という売り出し方の可能性と課題」や「観光地における自撮りに関する研究」「イラスト共有サイトにおける都道府県擬人化の分析」など、実に多彩でユニークな研究が行われている。

「観光科学はとても新しい分野なので学生たちには、今すでに観光という枠組みで研究されているテーマに取り組むよりも、自分で新しいトピックを開拓することに力を入れるように指導しています」

先生によると、最近はせっかくユニークなアイデアを持っているのに、それが本当におもしろいかどうかや、他人に受け入れられるかどうかを心配し、なかなか自信を持って発信できない学生が増えているという。

「その後押しをしてあげるのも私の役割かなと。研究室の学生には、観光という人々の非日常的な行動に対して真摯に分析の目を入れ、新たな発想で、今までなかったものを生み出すという経験をし、世の中で発生する様々な新しい事象に対しても柔軟に対応できる人になってもらいたいと考えています」と倉田先生は話す。