ゼミ・研究室の特徴、取り組み、特色などを掲載しています。

ゼミ研究室

人文社会学部 人間社会学科 心理学教室
知覚行動科学研究室

指導教員 石原 正規 准教授

2003年、東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。フランス国立衛生医学研究所や、マックス・プランク認知脳科学研究所(ドイツ)博士研究員を経て、2013年より現職。専門は実験心理学、運動行動科学

環境を知覚・認知し行動に移すプロセスを実験心理学的手法を用いて解明する

研究テーマ

知覚と行動の関係性を医療分野と連携して解明

心理学教室で人間の五感や情報処理と行動の関係を研究しているのが、石原正規先生が率いる知覚行動科学研究室だ。

「人間が環境を知覚・認知し行動するという一連のプロセスにおいて、どういった時間的・空間的特性があるのかというのが、研究テーマです。視覚や聴覚、触覚など五感の刺激を受けると、それを認知して情報処理し、その結果が行動として現れます。認知機能と行動を結びつけるだけでなく、前段となる知覚の部分から対象にしているため、知覚行動科学と称しています」

刺激に対しての反応は、人によってバラつきや個人差が生じる。その要因について「被験者が注意を払っている状況か、意識的か無意識的かでも違いがあります。さらに内的な表象(潜在的に心に蓄えられた情報)が行動に現れることもあります」と石原先生は説明する。また近年は、発達による機能の変化や、病気・事故の影響による高次脳機能障がいを理解する研究にも力を入れているという。

「高齢になると、時間や空間の調節といった機能が衰えてきます。そこで高齢者の知覚・認知・運動機能における問題の兆候をつかみ、早期発見につなげられないかと考えています。また高次脳機能障がいや、精神疾患をもつ患者さんを対象にした研究も、医療分野と連携して行っています」

研究の手法

装置を工夫し自作して心理学実験で検証する

知覚行動科学研究室の大きな特徴は、実験心理学の手法を使って研究や検証を行うこと。そのために必要な実験装置などは、工夫を重ねて自作することが多い。

「例えば、被験者に刺激を与えると目の瞳孔がどのように変化するかというテーマでは、Webカメラを流用した実験装置を学生と一緒につくりました。また視覚刺激で身体の重心位置のバランスがどう変化するかというテーマでは、Wii FitのバランスWiiボードを利用した装置を工夫しています。装置を自作するために、はんだごてを握ることも多いですね」と石原先生は笑う。そして研究を進めるうえでの心構えにもふれる。「情報を幅広く収集するだけでなく、それを取捨選択して整理することが大切です。それらを統合したうえで、自分なりの考えをメッセージとして発していける力を、身につけてほしいと考えています」

研究の進め方


  • 知覚刺激による目の瞳孔の動きを計測する実験。被験者に様々な刺激を与えた時の瞳孔の拡大や縮小を、カメラでとらえて検証する。

    • 視覚刺激による重心バランスの変化を調べる。目の前のモニターで視覚刺激を与え、Wii FitのバランスWiiボードを使って重心移動を測定する。