河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

最近の出題傾向

大問3題で構成され、第1問は力学、第2問は電磁気、第3問は波動または熱分野からの出題である。2017年度の第3問は波動・熱両分野からの出題であった。

力学分野では、放物運動、衝突、円運動、単振動など全範囲からからまんべんなく出題され、最近では複数の物体が接触しながら運動する、いわゆる2体問題が多い。

電磁気分野では、コンデンサーやコイルを含む回路、電磁場内を運動する荷電粒子、電磁誘導に関する問題がよく出題されている。

波動分野では、ドップラー効果、光波の干渉など見慣れたテーマではあるが、かなり発展的な内容が含まれる場合がある。

熱分野では、気体の状態変化が多岐にわたる設定で、エネルギーに関する設問が見られる。

2016・2017年度は原子分野からの出題はなかったが、2018年度から本格的に出題される可能性がある。

2017年度の問題は2016年度までに比べて難度が下がったが、これは一時的な現象と捉えた方が無難であろう。

2018年度入試予想・対策

●力学・電磁気分野は必出

力学・電磁気両分野の問題は年々難度が上がっているので、やや発展的な問題演習が不可欠である。

波動分野では、2012年度以前の後期試験の問題を参考にして演習を重ねておきたい。特に、波の式を扱う問題が最近出題されていないので要注意である。

熱分野では、状態変化の過程を要領よく整理して考えることが要求される。また、広い観点からのエネルギーに関する考察に慣れておくこともポイントになる。

原子分野では、過去にかなり難度の高い問題が例年のように出題されたことがある。この分野では、光の粒子性、水素原子模型、原子核などの典型的な内容の理解はもとより、過去に出題された問題を参考にして、問題文の誘導に従って解法を見つけ出す練習を重ねておきたい。

●長い問題文を正確に読み取る

一般によく出題されるテーマであっても、一味違った観点からの出題が多い。問題文が長く、読むのに時間を要するが、その反面解法につながる誘導が書かれていることもある。題意を正確に把握することが何より大切になる。

●出題の特徴と対策

①ひとつの大問のなかで、複数の異なる設定がなされている場合が多い。
②解答用紙には、答えを書く欄以外に、「説明」や「考え方」 の欄が用意されている場合があり、また、作図やグラフ作成を要する設問が出題される。
③計算よりも物理的な考察で正答を導くことを主眼とした設問が見られる。

具体的な対策は以下のとおりにすればよいだろう。

①の場合は、前の設問の結果をうまく利用すると、後の設問が比較的簡単に解ける場合もある。

②の「説明」や「考え方」の解答スペースはそう広くはないので、要領よく簡潔に記入したい。式を書く場合は、「立式の根拠となる法則名など・未知量の文字を用いた立式・答え」の順序で、途中の計算過程は省略してよい。きちんと記入してあれば、計算間違いで正答に至らない場合でも、部分点が期待できる。また、日頃の問題演習で、作図やグラフ作成を意識した練習を重ねておこう。特に、熱分野では、気体の状態変化をグラフに表す設問が多い。

③では、出題の意図を読み取ることがポイントである。選択肢が用意されている設問では、物理的な考察をすれば計算によらずに正答を導くことができる場合もある。計算に頼らない解法を常に意識しておくことが大切である。