観光学・地域学

観光学・地域学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、観光学・地域学に関する興味を広げよう。

観光を起点にして地域の活性化をめざす

何が学べるのか

「観光」は21世紀の基幹産業ともいわれる。訪日外国人数は2011年の622万人から、2015年の1,973万人へと、わずか 4 年で 3 倍超に激増。インバウンド(外国人旅行客)消費が大幅に増加し、日本経済を押し上げた。「観光立国」を掲げる政府は、2020年までに訪日外国人客4,000万人を目標とした施策を進めている。

観光学は、観光開発や観光産業、旅行関連産業に関する研究とともに、観光を通して地域と観光客が交流する文化交流や地域経済の活性化などを複合的に研究する。世界遺産や祭り、テーマパークなどによる観光開発、ホテル経営や地域活性化、ホスピタリティや観光心理学といった多様な角度からアプローチする。観光産業は、旅行業、交通業や宿泊業、レジャー産業や飲食産業、土産品産業など広い分野を含んでおり、各地域の経済活性化に大きく貢献する。地域の特性を活用した観光振興によって、経済的な発展や国際的な文化交流だけでなく、地域住民が自らの文化を再発見したり、創出する貴重な契機にもなる。なお、観光学は実務志向が強く、ホテルスタッフやツアーコンダクターといった観光の現場を支えるスタッフ養成に力を入れる学部学科もある。

地域学は、日本国内の特定の地域を対象にして、歴史や文化、経済や政治、地域問題などを、フィールドワークをもとに総合的・実証的に研究する。例えば、人口減少や少子高齢化により過疎化が進む地方で、地域づくりや街おこし事業によって、消費の喚起や雇用の創出を実現する方法を考える。「地方創生」「持続可能な地域活性化」などの国家方針が明確にされており、内閣府に「地方創生で日本の未来を拓く」中枢となる地方創生推進事務局を設置。国家戦略特区や地域活性化モデルケース選定など、地域活性化に向けて積極的な動きを見せている。

観光学・地域学系では、地域の特性を生かした観光事業の開発プロジェクトを成功へと導くプロセス、成功した観光企業の経営ノウハウ、具体的な事業計画の作成方法などを詳しく調べ、活性化への施策を練る。地域行政学(地域住民や地元企業と地方自治体を連携させて地域問題の解決を探る)、地域文化学(地域の文化遺産を調査・継承する)、地域経済学(生活に根ざした視点から地域の経済活動を研究する)などから、多面的に研究する。

学べる学科

  • 観光学科
  • 観光経営学科
  • 地域創造学科
  • 地域社会学科
  • 地域経済学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

あらゆる視点から観光について学べます

東海大学 観光学部 観光学科 2年
M・Oさん(茨城県 私立智学館中等教育学校卒)

2年秋学期 MON TUE WED THU FRI
1 英語(観光学) 2 英語(観光学) 2
2 英語リーディング&ライティング 2 観光地理学 英語リーディング&ライティング 2 観光地理学
3 ランドスケープ論 レジャー・レクリエーションマネジメント論 ランドスケープ論
4 シティプロモーション演習 プレセミナー(実習)2 レジャー・レクリエーションリーダーシップ論
5

ひと言コメント

東海大学観光学科の専攻科目は大きく4つの専門科目群で構成され、幅広い領域のなかから自分に合った学びのスタイルを自由にデザインできるのが特徴です。私はこの履修スタイルに魅力を感じて入学し、現在は“地元を観光によって活気づけたい”という目標を掲げ、主に地域振興やレジャーに関する授業を専攻しています。特におもしろいのは、現在履修している「シティプロモーション演習」です。動画媒体での地域プロモーションに関する学びを軸に、現地に出向いて調査から撮影・編集などの作業を学生主体で行います。その作品は実際に動画共有サイトで宣伝を行うという、実践的な手法で展開され、満足度と達成感の高い授業です。

気になる授業

愛知大学 地域政策学部 地域政策学科

まちづくりとデータ分析

まちづくりに欠かせないデータやその必要性、収集や活用方法についての技術を修得する。具体的には、統計資料やアンケートなどの現地調査によるオリジナルデータの収集、収集データの処理・分析、得られた結果の活用方法といった一連の流れを身につける。

ツーリズム文化論

ツーリズム(観光)を文化表象として捉え、その構造について検討する。様々な観光形態を類型化し、ツーリズムによる新たな文化創造に必要な要素を探る。そして、観光対象と観光者を結びつける媒体との関係性を考察し、観光者の文化体験が創出される過程を学ぶ。

地域の食文化

現代の地域社会、生活文化、環境問題について、食文化というテーマから読み解く。近年100年間で激変した食文化や、東海地域の自然や生活と深く関わる食文化を、地産地消・儀礼・調理・栄養・共食・制度・地域などの題材から考察。地域文化活動への応用をめざす。

将来のフィールド

主な活躍の場

公務員 観光協会 旅行会社 鉄道、航空会社 ホテル、宿泊業 テーマパークなど

ホテルや旅館をはじめ、各種のレジャー施設やテーマパーク、さらに旅行会社、航空・交通関連の企業、外食産業など、観光産業に関わる多くの分野への就職が可能だ。また、ウエディングプランナー、キャビンアテンダント、グランドスタッフ、地域プロデューサー、観光・地域開発コンサルタントなどの専門職、地域に根ざした観光協会や商工会議所の職員、地域再生プランナーなどをめざす人もいる。中学・高校教員や公務員、NGO、ODA職員などへの道も開けている。

めざす資格・受験資格など

旅行業務取扱管理者(総合・国内) 通訳案内士 社会調査士 観光ビジネス実務士 レストランサービス技能検定 中学校・高校教諭 1 種免許

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学びの最前線を知る!

イマナビ 人気観光都市「京都」の地道な努力

世界的な旅行雑誌『Travel+Leisure』誌が毎年発表する読者投票ランキング「ワールド・ベスト・アワード」での人気観光地ランキングで京都が、2014年・2015年と2 年連続で 1 位に選ばれた。京都は観光資源が豊富だが、国際的な観光振興に向けた市の取り組みも見逃せない。京都では古都の景観を守るため昔から建築物の高さが規制されているが、2007年からは屋外広告物の規制などを盛り込んだ新景観政策を実施。屋上の看板やネオンなど派手な看板は認められないことになった。

同市ではロンドンやパリなど海外10都市に情報拠点を設けて、現地メディアへの発信を強化するほか、市の外国人向け観光サイトは13ヵ国語に対応。また、海外からのお客さんが安心して旅行できるように、24時間 4 ヵ国語で対応するコールセンターを開設したほか、市内のバス停や公共施設などで無料公衆無線LANを充実させている。さらにユニークなところでは、国際的な展覧会や博覧会などの開催支援補助制度(舞妓さん派遣への補助など)を設け、イベントや国際会議などの誘致も積極的に進めている。ほかにも行政と市民が一体となった美化活動なども行われており、 2 年連続 1 位の偉業の裏では市民も参加したまちづくりが行われていたのだ。