社会福祉学

社会福祉学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、社会福祉学に関する興味を広げよう。

誰もが自分らしく生きられる社会について学ぶ

何が学べるのか

「社会福祉」というと、従来は社会的「弱者」の保護を目的とした施策と考えられていた。そのため「助けられる者」「助ける者」という発想から始まったと考えられる。2007年に65歳以上の高齢者人口比率が21%を超え、「超高齢社会」になった日本は、世界的に類例のない速さで高齢化が進んでおり、介護や援助を必要とする人口は年々増加している。また子どもに対する虐待問題や少子化など、高齢化以外にも様々な問題が存在する。

こうした社会状況の変化のなかで、社会福祉に求められるものは、制度や環境がつくっている境界を取り除き、誰もがその人らしく快適に生きられる社会を実現することだろう。

社会福祉学系では、社会の現状を踏まえ、老人福祉、障がい者福祉、児童福祉などの専門分野から、社会の諸問題について考え、すべての人が快適に人間らしく生きられる方法や、社会制度について学習する。また、保健学や医療技術などの分野も学ぶことで、専門性を高めていく。社会福祉の専門家である社会福祉士や精神保健福祉士などのソーシャルワーカー、介護をサポートする介護福祉士やケアマネージャーの必要性は今後も増すことが予想され、社会福祉はこれからの日本社会を支えるうえで、必要不可欠な学問分野となる。

社会福祉に求められていることは多岐にわたっている。人と人とのコミュニケーションから、住宅や都市の環境整備、医療福祉の制度や法律の整備など、具体的な実践から社会全体を視野に入れた理論まで幅広い学習が必要となる。そのため多くの大学では、実習などを重視し、体験的に学習するカリキュラムを採用している。

社会福祉の理論を重視するか資格取得を重視するかなど、理論と実践のウェイトの置き方が異なったり、地域社会との関わりに重点を置くなど、大学によって様々な特徴が見られる。しかし、ほとんどの福祉系大学で、ソーシャルワーカー資格である社会福祉士の国家試験受験資格を取得できるようになっている。

また、介護福祉士や保育士の資格取得課程を置いている大学もあるので、事前に大学案内などで調べ、それぞれの大学の特徴や取得可能な資格について知っておく必要があるだろう。

学べる学科

  • 社会福祉学科
  • 社会学科
  • 人間福祉学科
  • コミュニティ福祉学科
  • 児童福祉学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

人々の幸せを実現することをめざし、福祉を学んでいます

立教大学 コミュニティ福祉学部 コミュニティ政策学科 2年
M・Tさん(埼玉県立春日部高校卒)

2年前期 MON TUE WED THU FRI
1 福祉心理学入門 TOEIC 1(listening) TOEIC 2(reading)
2 質的リサーチ 現代キリスト教人間学 ライフサイクルの心理学 聖書と人間
3 国際福祉論 リサーチ方法論 2 スポーツとメディア
4 フィールドスタディ 地球環境の未来
5

ひと言コメント

福祉に興味があったことと、将来は公務員をめざす可能性も考慮に入れ、福祉学を中心に自治体の問題についても学ぶことができる立教大学のコミュニティ福祉学部に進学しました。私の選んだコミュニティ政策学科は、福祉学部と社会学部が一緒になったような学科で、地域の人々が幸せに暮らせる社会について考えることを学びのテーマに据えています。私が好きな授業は「福祉心理学入門」です。ペアワークやグループワークを通して、カウンセリング技術を学ぶもので、初対面の人といろいろ話すことも多く、普段の生活でも生かすことができると思いました。社会福祉学系の学問は、人々の幸せを実現することが最終目標なので、とてもやりがいがあります。

気になる授業

神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 社会福祉学科

社会福祉の歴史と現代社会

現代社会における社会問題を把握し、社会福祉とは何か、社会福祉は何に対応すべきかという視点を養う。人が生きてきた歴史、地理の足跡をたどり、社会福祉の歴史的展開と現状を理解しながら、現代社会における社会福祉の意義と課題を捉える力を身につける。

国際福祉論

外国籍住民の増加と定住化が進むにつれて、福祉や教育分野においてもサービスの対象者の比重が急速に高まっている。神奈川県で多国籍住民が集住する「地域」に焦点をあてながら、現状と課題を把握し、多文化社会における福祉政策・援助サービスの在り方を考える。

ソーシャルワーク演習I

社会福祉士に求められている援助相談について、自己理解や自己覚知を行いながら、コミュニケーション技法や基本的な面接技法を修得する。さらに、個人、家族、グループ、地域で展開されるソーシャルワークについて相談事例を通して、価値、知識、技術を学ぶ。

将来のフィールド

主な活躍の場

福祉事務所・児童相談所・老人介護施設・障がい者施設などの社会福祉施設 医療関連施設 など

所定の単位を取得すれば、社会福祉士や介護福祉士の受験資格が得られ、社会福祉施設や医療関連施設で活躍できる(介護福祉士の養成施設卒業生も2022年度から受験が必要)。任用資格である社会福祉主事の資格を取得し、ソーシャルワーカーとして自治体で勤務する人もいる。また、福祉住環境コーディネーターとなって、バリアフリーやユニバーサル・デザインを手がける場合もある。高齢者向けマーケットの拡大もあり、一般企業に進む人も多い。

めざす資格・受験資格など

社会福祉士 介護福祉士 精神保健福祉士 福祉住環境コーディネーター 認定心理士 社会福祉主事(任用)

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 超高齢社会で進む介護分野のグローバル化?

65歳以上の高齢者の総人口に占める割合が21%を超えると超高齢社会と呼ばれるが、日本は2016年には27.3%となり、高齢者の人口・割合とも過去最高を記録。一方、出生率は低い水準にとどまっている。国立社会保障・人口問題研究所が2012年に公表した「日本の将来推計人口」を見ると、高齢者人口は今後も増え続けて2042年にピークを迎え、2060年には65歳以上の高齢者が全体の約40%を占めると推計されている。少子高齢化が進むと、若い世代に年金などの負担が増える、生産人口(=消費人口)の減少によって景気が悪くなるなどの問題が起こるといわれるが、もちろん高齢者に対する福祉も大きな課題。超高齢化の進む日本では介護福祉士(国家資格)が不足しており、現在のまま介護福祉士を養成していっても、団塊の世代が75歳になる2025年には30万人不足するといわれている。現在、インドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師・介護福祉士候補者(日本で働きながら国家試験合格をめざす)の受け入れを行っているが、これは労働力不足を補うためのものではなく、あくまでも各国との経済連携強化が目的。そこで2016年11月、介護分野への外国人の受け入れを拡大する法案を国会で可決。2017年から受け入れが始まる予定だ。