資源・エネルギー工学

資源・エネルギー工学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、資源・エネルギー工学に関する興味を広げよう。

エネルギー・環境問題を探究する

何が学べるのか

現在、私たちは廃棄物汚染や排水・排ガスによる公害などの直接生活に関わる問題から、森林破壊や資源の枯渇、地球の温暖化やオゾン層の破壊など地球規模の問題まで、取り組むべき課題を非常に多く抱えている。資源問題と環境問題は、現代社会の重要課題である。

私たちの生活を維持・向上させるためにはエネルギーが必要不可欠であるが、地球規模のエネルギー・環境問題が深刻になりつつある今日においては、石油・天然ガスなど化石資源の生産・消費を維持する一方で、次世代のエネルギーを開発することが急務である。特に震災以降、その意識はさらに高まっているといえる。

そこで、化石資源だけでなく、風力や太陽光、バイオマスといったクリーンエネルギーを有効利用することによって、エネルギー消費と自然環境とが調和した、高効率エネルギーシステムの構築をめざすのが「資源・エネルギー工学」である。

資源工学は、工学のなかでも長い歴史を持つ学問分野で、前身は採鉱・冶金やきん学や鉱山学などである。資源の探査・開発・処理や環境保全という従来の資源工学で取り扱う分野に加え、資源の開発と利用に伴う環境問題、自然災害に関する予測・予防や資源リサイクリングなどに関しても、地球的規模での将来を視野に入れた総合的研究・技術開発を行っている。環境問題と密接な資源工学は、廃棄物処理とリサイクリングからのエネルギー変換・利用を重要な課題とし、資源の安定的な確保、供給、利用と地球に優しい資源・エネルギー開発をめざしている。

一方、エネルギー工学では、エネルギーの生産と利用に関する基礎研究とその応用に取り組んでいる。例えば、エネルギーを有効かつ安全に利用するための最適プロセスとその機器の開発、基礎原理の解明、核融合エネルギーなどの高品位エネルギー変換システムについての新しい技術の開発をめざし、様々な実験的研究や解析を行っている。

このように、資源・エネルギー工学系では、広い学域にわたる専門知識を融合し、エネルギー・環境問題を克服することを目標としている。そのために、資源の開発やリサイクル、省エネルギーなどに取り組み、持続可能な社会システムの構築を研究している。

学べる学科

  • エネルギー科学科
  • 環境・エネルギー工学科
  • 国際資源学科
  • 環境資源工学科
  • 生物環境工学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

将来を考え、興味があった「エネルギー」について学べる道に進みました

九州大学 工学部 エネルギー科学科 エネルギーシステム工学コース 3年
T・Mさん(広島県 私立広島学院高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1
2 地球環境システム学 エネルギー化学工学 振動力学
3 課題集約演習 エネルギー工学演習III 流体力学II
4 基礎材料力学 プラズマ理工学
5

ひと言コメント

将来の仕事について考えたとき、エネルギーに関わる職に就きたいと思ったことから、九州大学工学部エネルギー科学科を志望しました。この学科にしかない「エネルギー化学工学」の授業は、水素エネルギーサイクルや核分裂原子炉の仕組み、運用方法など、エネルギーの取り扱い全般について、大まかに学ぶことができ、自分にとっては非常におもしろい時間でした。ほかにも、卒業研究の予行演習のような授業で、実験やグループワークを体験できる「課題集約演習」などの実践的な授業もあります。これから大学進学をめざす高校生の皆さんは、まず自分が何に興味があるのかについて、向き合うようにしたらよいのではないかと思います。

気になる授業

早稲田大学 創造理工学部 環境資源工学科

鉱物資源開発技術の最先端

鉄鉱石やレアメタル、ベースメタルといった、日本経済や産業活動を維持するために不可欠な鉱物資源を中心に、資源の探査・開発から金属利用に至る技術・プロセスの概念を学ぶ。資源経済・資源ビジネス・リサイクリング・環境問題など、鉱物資源全般について考察する。

資源分離工学

各種廃棄物資源や鉱物資源からの有価成分の回収および、有害成分除去のための成分分離(特に選別)技術について学ぶ。資源循環・開発の最適化に必要な分離技術の意義と概要を把握すると同時に、個々の分離技術に関する理論、分離結果の評価法などについて理解する。

油層シミュレーション

油・ガス層シミュレータ、数値解法の基礎を学び、簡単なシミュレータの構築(プログラミング)を修得する。さらに、実践的な貯留層シミュレーション技術を学ぶことで、実際に産業界で行われている開発計画の立案過程についての理解を深める。

将来のフィールド

主な活躍の場

資源工学を学んだ学生の就職先としては、地質学、鉱物学などの知識を生かして、石油、ガス、地質関連会社などがある。また、材料工学などの知識を生かして金属工業、鉱業などの分野にも進んでいる。

エネルギー工学を学んだ学生の就職先は、電力・原子力関係のほか、重工業や電機などの製造業が中心となっている。さらに両学系とも専門分野で学んだ知識を生かして、研究機関や官公庁などで活躍している人もいる。

めざす資格・受験資格など

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種) 放射線取扱主任者 原子炉主任技術者 公害防止管理者 エネルギー管理士 中学校・高校教諭1種免許

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ エネルギー資源としての水素利用

人類が直面する 2 つの重要課題が「地球環境保護」と「エネルギーの安定供給」。この問題を一挙に解決するのが「水素」だ。水素は地球上のどこにでもある元素で、水や有機化合物に大量に含まれている。しかも、水素から電気エネルギーを取り出しても、水が残るだけで、二酸化炭素や窒素酸化物といった有害物質を排出しない。また、太陽光などの自然エネルギーやバイオマスなどを利用した多様な方法で水素をつくり出せるので、世界各国の気候風土や産業に合わせた生産システムが柔軟に構築できる。

その水素を実用レベルで使うための技術が「燃料電池」で、水素と酸素の化学反応によって、電気エネルギーを発生させる。すでにこの技術は燃料電池コージェネレーションシステムとして一般家庭にも導入され、冷暖房や給湯などに活用されている。さらに自動車への応用として、「燃料電池車(FCV)」が登場。トヨタ自動車は2014年12月、世界初となる量産タイプの燃料電池自動車「MIRAI」の販売を開始した。水素を燃料として空気中の酸素を使って電気エネルギーを取り出し、電気モーターで走行する究極のエコカー。まさに未来へ向けて、日本の最新技術の結晶が、エネルギーと自動車市場の世界最先端を疾走している。