材料工学

材料工学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、材料工学に関する興味を広げよう。

無限の可能性を秘める新素材研究

何が学べるのか

材料工学とはモノを構成する材料を研究する学問である。様々な材料の組成・構造・機能を工学的に解明し、情報・生命・文化・健康の基盤となる優れたモノをつくることは、私たちの生活をより豊かにしてくれる。このことこそが、材料工学の使命である。

材料工学が研究の対象とする材料は、新素材を中心に多岐にわたる。レーザーやLED(発光ダイオード)などの固体電子素子。太陽電池に用いられる半導体材料。センサーや高性能二次電池の電極、電子デバイスとして用いられるファインセラミックス。燃料電池の作動に欠かせない固体電解質や機能性溶媒。磁気ヘッドやメモリ素子材料として利用される磁性材料やアモルファス合金。リニアモーターカーやコンピュータに用いられる超伝導材料。高張力鋼、超耐熱合金、軽量合金、形状記憶合金などの各種合金。この学系ではこれらの材料について化学(無機化学、有機化学、物理化学など)の知識を基礎として、材料を電子、原子、分子、固体レベルで把握し、その組織や構造を解析していく。

さらに材料の設計・製造・加工に関する手法も修得する。また、材料はそのままの形で使われることはなく、モノとして使われる。このため、様々な材料を使ってつくられたモノが、どのような性質・機能を持っているのかを物理学(材料物理学、材料物性学、材料力学など)を通じて評価していく。

近年の研究例をいくつか挙げると、コンピュータには欠かせない情報記録材料の研究、福祉機器の軽量化に関する研究、歯・骨・血管・筋肉・内臓器など医療や歯科分野での治療や代替の目的で移植される材料(生体材料)についての研究、環境低負荷のエネルギー材料の開発に関する研究などがある。これらの例にとどまらず、21世紀の高度情報化・超高齢社会では、新素材の開発を中心とした材料工学の重要性が高まることはいうまでもない。

今後の課題としては、複数の高度な機能を有する材料を、いかにして環境と調和させつつ開発していくかということにある。原料の調達から、製造・加工プロセス、利用・消費を経て、リサイクル・廃棄の段階に至るまでのモノ・材料のライフサイクルについて、地球環境に対する負荷を軽減することが重要な課題となっている。

学べる学科

  • 材料工学科
  • 材料科学科
  • マテリアル工学科
  • 機能材料工学科
  • 物質化学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

これまでの集大成の授業が「CAD演習および精密工学実験」

千葉工業大学 工学部 ※ 機械サイエンス学科 マイクロサイエンス工学コース 3年
M・Kさん(埼玉県 私立東京農業大学第三高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1 地球科学
2 薄膜工学 精密運動機構 マイクロサイエンス工学ゼミナール
3 CAD演習および精密工学実験 2 材料評価法
4 マイクロマシン
5 ナノテクノロジー

ひと言コメント

最もおもしろいと思う授業は、「CAD演習および精密工学実験」です。このカリキュラムは、CADを使った設計と実験を交互に行うもので、これまでに様々な授業で学んできたことを、実験で実際に体験できます。例えば、「機械加工法」「精密加工基礎」「精密加工学」といった授業で学んだ加工の分野では、精密加工機器を使った工程を体験することが可能です。その他にも、機械要素学や精密測定学で習った測定の分野や、真空工学、表面工学、薄膜工学などが関係する薄膜形成の分野など多岐にわたる内容を学修できます。 3 年次の必修科目で、今までの授業で学んだことを再確認ができる授業で、ずばりこれまで習ってきたものの集大成ともいえると思います。

※2016年度より、工学部は機械工学科、機械電子創成工学科、先端材料工学科、電気電子工学科、情報通信システム工学科、応用化学科へ改組しています。

気になる授業

日本大学 理工学部 物質応用化学科

高分子材料物性

分子鎖が長いため、粘性・弾性・塑性といった材料のすべての性質を持つ高分子の力学的性質に焦点を当てて学ぶ。特に高分子特有の非ニュートン性を学んだ後、粘弾性体の現象論と分子論について考察。また、動的な測定から粘弾性体のエネルギー損失の計算も行う。

無機材料物性

ファインセラミックスやアドバンストセラミックスと呼ばれる無機機能材料について、熱的、機械的、化学的、電気的、光学的な性質を学習。どのような理論と技術によって開発され、機能発現するのかについて、固体化学の見地から考察する。

エネルギー資源化学

エネルギー資源の需給動向を導入に、石油、石炭、天然ガス、核燃料といった現在の主要エネルギー資源のほか、再生可能エネルギーとして将来有望な新エネルギー資源について基礎を修得。工業技術者の実務に必要な知識を身につける。

将来のフィールド

主な活躍の場

製鉄会社・非鉄金属会社 自動車・電機・精密機器・石油・化学・情報通信 など

材料工学系の学生はほかの工学系と同様に大学院進学率が高い。研究や開発に求められる知識や経験の高度化に伴い、専門性を生かした仕事をするために大学院に進むことは必須と考える傾向が強まっており、学部卒業生の半数以上が大学院進学者という大学も珍しくない。

主な活躍の場は、製鉄会社、精密機器などの関連企業がある。

また、大学院修了者は、官公庁や各種研究機関、企業の開発・研究部門などで研究者およびエンジニアとしての活躍が期待されている。

めざす資格・受験資格など

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種) 中学校・高校教諭1種免許 技術士(補)

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ Googleが本物の「ウエアラブル」端末を開発

スマートフォンやタブレット端末は今では生活必需品。 腕時計型のスマート・ウォッチやメガネ型のスマート・グラスといったウエアラブル端末も、注目度はやや落ち着いた印象だ。そこで登場した正真正銘の「ウエアラブル」な情報端末が「スマート・ジーンズ」。

Googleのコンセプト製品「Project Jacquard」は、導電性のある繊維を織り込んだ布でつくる服で、スマートフォンなどを簡単に操作できる。服の一部を軽くたたいたり、なぞったりすると、組み込まれた小型通信装置から信号を送ることで、タップやピンチインなどと同じ操作感を実現。軽くたたくと音楽を再生、指ですっとなぞると音量が調整できる、文字通り「ウエアラブル」なツール。しかもリーバイスとの共同開発とあって、ファッション業界にも激震が走った。

電子回路を組み込み、洗濯もできるスマートファブリックは、既にファッション・繊維業界を動かしつつある。ラルフ ローレンは、導電性の糸を使って心拍数や呼吸量などの生体データを測定し、データを転送するシャツを公開。日本の繊維メーカー帝人も、体の動きを三次元で感知する着用型の「ウエアラブルセンサー」を発表した。新素材の開発が日常生活を変えるかもしれない。