建築学

建築学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、建築学に関する興味を広げよう。

「強、用、美、快」を兼ね備えた住環境を追究

何が学べるのか

古代エジプト時代の記録に「建築家」という職業が残っているように、人類の営みとともに始まった建築は世界の様々な地域で文化を吸収し、多くの文明を支えて発展してきた。そして今を彩る現代建築は、20世紀初頭に確立されたコンクリートとガラスの機能的な建築スタイルを基礎に、様々な変化を経て多種多様な特徴を持っている。

建築は科学であると同時に芸術としての側面も併せ持っている。古代の建築書に書かれた建築の基本は「強、用、美」といわれ、それぞれ耐久性や安全性、機能性、環境に合った美しさを示す。現代はそれらに「快」、すなわち快適性が加わる。

建築に携わる者には、人文科学・社会科学・自然科学などの幅広い分野とつながりを持ちつつ、暮らしやすい環境や住まいを創造する感性と、それを具体化する知識と技術が要求される。

建築学は、大きく計画系、構造系、環境系の 3 分野に分かれている。

計画系は、世界の各時代の建築を研究し、建築の在り方を明らかにする建築史・建築意匠、都市開発や建築単体をどのような場所にいかにつくるべきかという建築計画学などからなる。構造系は、コンピュータなどを利用して耐震構造や架構方法を学ぶ構造力学、建築に使われる構造材料について性質を研究する建設材料学などからなる。

環境系は、建築における光(照明など)、音(音響など)、空気(空調など)の役割や特性を研究する建設環境工学などからなり、人と自然環境の共存をテーマに幅広く学んでいく。

建築家というと設計がメインのように思われるが、その設計学は上記の計画系に含まれる。

近年の住まいづくりには機能性や安全性に加えて、快適さ、楽しさ、美しさなど、環境や個人のライフスタイルを重視する要素が求められている。防災面では耐震性など、災害に強い建築物に大きな期待が寄せられている。また、歴史的建築物の保存、リサイクルや住宅政策における課題、建築素材が原因となるアレルギーの問題など、解決すべき問題は多い。地域性も加味した独自の研究テーマを持つ大学もあるのでチェックしておきたい。

学べる学科

  • 建築学科
  • 建築工学科
  • 建築デザイン学科
  • 土木建築工学科
  • 建築環境学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

学んだ知識を形にするデザインスタジオが特徴的

横浜国立大学 理工学部 建築都市・環境系学科※ 4年
U・Yさん(神奈川県立湘南高校卒)

3年前期 MON TUE WED THU FRI
1 日本建築史 公共施設の計画 デザインスタジオ
2 都市計画とまちづくり 建築・地域環境計画 建築材料
3 デザインスタジオ 音・光と建築環境
4
5 設備計画I

ひと言コメント

この学科には意匠、計画、歴史、構造、環境、都市計画といった分野があり、 3 年次まではそれらを複合的に学びます。なかでも、意匠系の演習カリキュラムである「デザインスタジオ」は一人一台製図台を使って、夜遅くまで模型や図面作成に取り組み、周りの人から多くの刺激を受けることができます。 4 年次には卒業論文、卒業制作のどちらかに分かれ、研究室に配属されます。私は公共建築に興味があり計画系に進みましたが、「建築材料実験」という構造系の授業も履修していました。自分たちで一から鉄筋コンクリート梁をつくり、力を加えてその壊れ方を見るという内容で、荷重の伝わり方を目で見て理解することができ、とても印象に残っています。

※2017年 4 月より都市科学部建築学科へ改組される予定です。

気になる授業

大阪大学 工学部 地球総合工学科 建築工学コース

建築基礎工学

過去の地盤、基礎、建物の地震被害を学び、地震被害と地盤条件との関係や、基礎の耐震設計の役割について学ぶ。地盤調査や、土の力学特性・動的性質、液状化現象について理解を深め、基礎の耐震設計の考え方や基礎の施工法、地盤改良工法について知識を修得する。

建築人間工学・地域施設計画

建築の機能、規模、空間構成、配置について、また、地域・都市環境の構成要素としての建築の意味を理解するための基礎的知識を身につける。そのうえで、建築計画での応用力、法律や行政の仕組みを含めた地域と都市を計画するための高度な専門知識を修得する。

建築音環境

音環境について、音と人間の心理的・生理的反応との関係を理解する。さらに、「騒音計算と騒音防止設計」「室内音響設計」などのテーマを学びながら、騒音防止設計や音響に関する基本的事項と音場解析法、騒音評価法、音響設計法について理解する。

将来のフィールド

主な活躍の場

設計事務所・大手ゼネコン・住宅メーカーなど、建築関係 公務員 インテリアコーディネーター など

大学院への進学率が高くなってきており、そのうえで建築家をめざす場合が多い。 このほか、官公庁に所属して都市を計画するアーバンデザイナー、環境デザイナーなどの職業に就いたり、大企業の建築部門に所属する人もいる。

また、建築関係への就職以外には、コンサルティング会社や広告関係、さらには、金融関係や不動産関連企業などへ進む道もある。

めざす資格・受験資格など

一級・二級・木造建築士 建築施工管理技士 建築設備士 技術士(補) 土地家屋調査士 不動産鑑定士

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 人間と自然に優しい「スマートシティ」

地球温暖化や異常気象などが深刻化する現在、持続可能な社会をめざす「スマートシティ」が注目されている。スマートシティとは、地域のエネルギーや社会インフラをICTを駆使して総合的に管理する近未来型都市のこと。エネルギー、環境、街づくり、交通などを効率的かつ安全にマネジメントし、快適な生活と継続的な社会発展の基盤をつくる。その中軸がスマートグリッド(次世代送電網)で、火力発電所などで生産する電力と、住宅などに設置した太陽光発電などを組み合わせ、インテリジェントな電力網を提供する。住宅は太陽光発電や蓄電池などのエネルギー機器を装備し、家電や住宅機器などのエネルギー消費を最適に制御できるようスマートハウス化。オフィスビルや商業施設、工場でも、自然エネルギーなどを用いて発電量の最大化と消費電力の最小化を図る。さらに電気自動車やバイク、電車などのGPSによる位置情報を地域で共有して、適切な道路情報の提供や交通渋滞の緩和を実現する。低炭素化社会を志向するスマートシティの推進には、住宅やビル、道路や鉄道の建設だけでなく、情報、製造、食品など、多彩な分野の協働が必要で、日本の成長戦略の重要な柱にもなっている。