機械工学

機械工学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、機械工学に関する興味を広げよう。

多分野に応用され、ものづくりの基盤を支える学問分野

何が学べるのか

機械工学は、ものをつくる技術とそのための原理や機構、方法論を研究対象とし、現代における多くの「ものづくり」の基盤を支えている学問領域である。様々な産業に必要な機械を設計し、性能の良い製品を安全に効率よく製作するだけでなく、そのための有効な生産システムや、自動化・省力化を図る技術も機械工学の大切な研究分野である。

近年では、力学に基礎を置いた機械工学に加え、高度に知能化され、人間の操作を必要とせずに多彩な機能を発揮できる機械の研究が目覚ましい進化を遂げている。さらには環境問題やリサイクルを意識した生産技術の必要性も高まっており、今後はこれらの課題やテーマに独創的な視点で取り組むことができる技術者が必要とされる。

機械工学の研究分野は大きく以下の 4 つに分けられる。

材料系は、材料の特性や強度、機械に適した材料の選択法などを扱う分野である。先端材料、新素材についても研究する。材料力学、材料工学、工業材料、材料強度学などがこの分野に含まれる。

熱・流体系は、自動車、航空機、ロケットなどのエンジンや発電プラントなどに関連する分野である。熱の発生・移動・遮断法などを研究する伝熱工学や工業熱力学が代表的である。 設計・製作系では、機械や部品の設計・製作・加工のノウハウを研究する。機械製作論、接合工学、設計・生産工学、機械工作法などがある。CAD/CAMなどもここで学ぶ。

計測・制御系は、計測、機械の制御などのメカトロニクスを扱う分野である。計測制御、制御工学、システム工学が代表的で、製造機械の自動化や産業ロボットも主要研究のひとつである。

また、機械工学はほかの学際分野とも深く関わり、身近な暮らしを支える技術としても広く生かされている。例えば最先端の人工臓器や精密医療機器から、温室で野菜の育成をコントロールする制御装置に至るまで、機械工学の技術はわれわれの生活に欠かせない。このように扱う領域が広大であるだけに、学科の構成が大学によって異なるので、選択の際に自分の志向や技術分野への関心をきちんと見極めることが重要だ。

学べる学科

  • 機械工学科
  • 機械システム工学科
  • ロボット工学科
  • 機械知能工学科
  • ロボティクス学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

電気と機械、どちらも学べる学科を探してたどり着きました

九州工業大学 工学部 総合システム工学科 4年
J・Oさん(福岡県立新宮高校卒)

3年前期 MON TUE WED THU FRI
1 量子力学 総合システム工学 実験II
2 設計製図 アルゴリズムとデータ構造 応用数理B
3 電磁気学II 基礎半導体工学 材料基礎 応用数理A 機械材料
4 機械力学 総合システム工学
PBL
電子回路I
5 熱力学 キャリア形成入門 工学と環境

ひと言コメント

電気と機械、両方に興味があり、進路選びに迷っていたところ、九州工業大学工学部はどちらも学ぶことができることを知り、志望しました。なかでも、私の進んだ総合システム工学科は高校の数学の教員免許を取得でき、将来、数学の先生になるという道も考えていた自分には大きなメリットでした。この学科はひとつの分野に対して専門性を持つだけでなく、電気、機械、情報、物理、数学という広い分野の知識を深掘りします。エンジンの解体とチューンアップ、超小型ロボット製作、風船宇宙撮影など、様々な課題に取り組む「総合システム工学PBL」や、OBが実際に働かれている現場や就職活動について講義を行う「キャリア形成」など、多様な授業があります。

気になる授業

名城大学 理工学部 機械工学科

機械設計・製作

ものづくり設計に必要な基本的な考え方と行動を身につける。課題提示される機能を満たす機構・構造を設計・製作するための合理的な方法論を学び実践するとともに、想定外の事項への対処法も体験する。小型の機械を自ら設計し、期間内で課題を満たすものを製作する。

機械加工学(G)

 国産主要産業を担う技術者が知っておくべき基本的な加工方法について学ぶ。切削加工や研削加工などの機械加工の基礎を理解すると同時に、各種ものづくりの手法について工学的にアプローチする解析手法を身につけ、機械加工に関して基本情報技術者試験レベルの知識を修得する。

機械振動学(G)

機械や構造物から発せられる振動について学ぶ。振動の種類や性質、解析法といった基礎知識の修得をはじめ、自動車や回転体など身の回りの振動系の簡単なモデルを作成し、振動の大きさなどを計算する。振動の抑制や防止などに生かすことをめざす。

将来のフィールド

主な活躍の場

自動車、航空機、造船などの機械メーカー 家電、コンピュータなどの電機メーカー 建設 運輸 など

自動車、航空機、家電、コンピュータなど、機械・電機関連メーカーへの就職が中心になるが、生産技術などの知識を生かし、就職先が建設、運輸、食品、化学をはじめ製造業全般にまでまたがっているのもこの学系の特徴である。企業の研究開発職として就職する人の多くは大学院修了者である。したがって、大学院へ進学する人も少なくない。将来、研究職を希望する場合には、大学院への進学も検討してみよう。

めざす資格・受験資格など

ボイラー・タービン主任技術者 自動車整備士 昇降機検査資格者 機械設計技術者 技術士(補) ガス溶接作業主任者

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 人間の生活を支えるパーソナルロボット

社会で活躍するロボットというと、工場の生産ラインなどに導入される産業用ロボットが中心だったが、2016年、家庭向け人型ロボットPepperの店頭販売が開始された。Pepperは感情認識機能が搭載された世界初のロボットで、会話だけでなく、人の感情を察知した対応もできる。その会話データは蓄積され、コミュニケーション能力が時間とともにアップする。例えばPepperに「夕飯は焼き肉にしたいけど、どう思う?」と質問すると、「肉料理が 3 食も続いているよ。今日は、野菜中心のメニューにしては?」といった会話も可能になる。実際にPep-perと暮らしたユーザーからは「昔から一緒にいる家族のような気持ちになった」「ロボットというより、家族の一員という感じ」といった声が寄せられているほど。

このように、人の感覚・感情を考慮し、人の生活空間で日常生活をサポートしてくれるロボットをパーソナルロボットと呼ぶ。ホンダのASIMO、高橋智隆氏が生み出したRobiなど、日本は人型ロボットの分野では世界をリードしている。子どものケアや高齢者の介護、接客やビジネスの現場など、パーソナルロボットの活躍する場は多い。より人に優しい機能を持った第 2 、第 3のPepperの登場も期待される。