地球科学・宇宙科学

地球科学・宇宙科学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、地球科学・宇宙科学に関する興味を広げよう。

幅広い自然現象から地球を考察

何が学べるのか

地球温暖化、オゾンホールや酸性雨、大地震・津波・火山噴火、台風・竜巻、あるいは地下資源の枯渇など、地球をめぐる環境問題は深刻の度合いを深めている。これらの解決策を探るためには、何よりも地球について深く知ることが必要だ。地球科学は、地球の誕生から現在、さらに未来予測までを対象に、地層や化石、鉱物、さらに気象、生物に至るまでの幅広い分野から「地球とはどのような存在なのか」を解き明かす。代表的な分野は、地質学・岩石学・鉱物学・古生物学・地震学・火山学・海洋学などの基礎科学的分野、その応用である地球環境科学、天然資源開発、防災科学などが挙げられ、扱う範囲が非常に広い学問だといえる。研究手法も、岩石や鉱物の分析・分類から、野外調査や船上観測まで様々である。

宇宙科学は、宇宙の構造や歴史、元素や生命の起源、予測される未来の解明などの難問に挑む。太陽系惑星の構成物質や構造、惑星の形成と進化の過程、宇宙の大半を占めるとされる未知の物質・ダークマターなども研究対象だ。素粒子レベルから数億光年単位といった世界を相手にする宇宙科学は究極の総合科学であり、物理分野、化学分野を中心に、あらゆる科学的知見が総動員される。広い意味では、天文学や宇宙開発を実現するための宇宙工学も含む。近年、ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡の活躍などもあり、宇宙の画期的な現象の観測や新理論の発表が続いている。しかも小惑星探査機「はやぶさ」をはじめ、日本の宇宙観測や研究成果は大きな存在感を誇っている。2016年には、アインシュタインが予測した「重力波」がアメリカの研究チームによって初観測され、大きな話題になった。

この学系の授業は、講義内容とともに、観察や実験・実習、フィールドワークが重視される。現場に足を運び、自然現象の実際を観察することによって得られる知識は、文献や講義の内容以上に血肉となるであろう。

宇宙で起こる現象はもちろん、地球上の現象も、解明されていない部分が数多く残されている。また、想像を絶する高温・高圧での現象や超ミクロな世界での出来事が、思いがけない条件下の現象と深く関連するケースも珍しくない。地球科学・宇宙科学系領域は注目を集めている学問分野のひとつといっても過言ではない。

学べる学科

  • 地球科学科
  • 地球惑星科学科
  • 宇宙物理・気象学科
  • 生物地球学科
  • 海洋地球科学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

学びの幅が広く、好奇心と興味を刺激する科目が目白押しです

岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 地球・気象学コース 4年
W・Tさん(兵庫県 姫路市立姫路高校卒)

3年春学期 MON TUE WED THU FRI
1 地学実習
2 天文データ解析 科学英語III 道徳教育の理論と方法 植生学
3 惑星物質学 地理情報システム 理科教育法III
4 歴史学 自然災害学 インターンシップ
5 現代人の科学

ひと言コメント

これまで興味がありながらも、詳しく学ぶ機会がなかった「地球・気象学」や「天文学」を総合的に学べる生物地球学科へ進みました。学科での学びは幅広く、「恐竜・古生物学」「地理・考古学」「植物・園芸学」「動物・昆虫学」など、好奇心を刺激する科目が目白押し。実践的な学びもあり、 3 年次の「地学実習」では様々な場所に実際に赴いて調査を行い、自分が思っていた以上に身の回りには多様な現象があることが身をもって体験できました。こうした様々な科目をきっかけに、その分野に目覚め、研究対象にする学生も少なくありません。私は 3 年次に履修した「自然災害学」をきっかけに防災について深く学ぼうと決意し、現在は「事前通行規制基準」について研究しています。

気になる授業

東北大学 理学部 地球惑星物質科学科

鉱物構造学

地球科学分野で鉱物は最小構成単位として扱われている。各種鉱物の内部構造を理解するために、平面・空間格子、規約格子、対称性、点群といった結晶学の基礎知識の復習から始め、X線回折、物質の同定方法、逆格子と単結晶構造解析、TEM解析など実習も交えて学ぶ。

初期太陽系進化

惑星を含む太陽系の諸天体の起源や進化を解明する手法と、現在までに得られている事実の理解をめざす。小惑星起源の始原隕石や、彗星起源の惑星間塵に残された物質科学的証拠に基づいた理論を展開し、初期太陽系進化の基本的な考え方を身につける。

地球惑星熱力学

地球深部の分化を考えるうえで基礎となるマグマ、金属メルトの物性と相平衡、および地球深部物性を記述するために必要な弾性論の基礎について学ぶ。「液体の熱物性」「ガラスの性質」「マグマの熱物性」「融解の相平衡論」などのテーマに取り組む。

将来のフィールド

主な活躍の場

環境計画・都市計画関連企業 土木・建設関連企業 気象関連企業 IT関連企業 研究職 など

専門的な知識やデータ分析の能力を生かして地質調査会社などに就職する人や、建設コンサルタント、環境計画コンサルタントとして活躍する人が多くなっている。また、ほかの理工学部系と同様に、大学院へ進学する学生が多い。学生の半数前後が修士課程へと進学する大学も多く、そこから研究者をめざす学生もいる。さらに、公務員をめざす学生も多く、建設・土木・気象などを扱う官公庁や消防などへの進出も目立つ。

めざす資格・受験資格など

気象予報士 環境計量士 測量士補 学芸員 中学校・高校教諭 1 種免許 技術士(補)

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学びの最前線を知る!

イマナビ 御嶽山噴火にみる噴火予知の難しさ

2014年、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん)が突然噴火し、戦後最悪の火山災害となった。日本は世界有数の火山国で110の活火山を持つ。そのうち50は「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」に指定。御嶽山は監視・観測対象の山で、地震計、傾斜計、山体変化を計測する装置などを設置して、常時監視が続けられていた。噴火の約 2 週間前に地震が増加したものの、噴火の前兆を示す明確なデータは得られなかったため、噴火警戒レベルは引き上げられなかった。ところが2014年 9 月27日、多くの登山者が火口近くを散策する時間帯に、突如として噴火した。

この噴火は、地下のマグマの熱で膨張した水蒸気が火口に積もった岩石を吹き飛ばす「水蒸気噴火」の可能性が高いとみられている。マグマ自体が噴出する「マグマ噴火」とは異なり、山全体の膨張や震動などの前兆が少ないため、予知が難しいのだ。そこで新しい予知手法として「電磁気観測」が注目されている。マグマの熱で地中温度が上がると磁力が弱まる性質を利用して、磁気のデータを解析、温度上昇を早期に把握し、水蒸気噴火を予知する試みである。ただ、観測データを評価できる熟練した人材が不足しており、この分野の専門家の育成が今後の大きな課題だ。