数学

数学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、数学に関する興味を広げよう。

理論の純粋数学と実用の応用数学

何が学べるのか

「数や図形を対象とする、厳密な理論的思考の学問」が数学である。物理学や化学は理論や仮説を実験で検証するが、数学ではすべてが思考のなかで成立する。数学の原理原則を学ぶことにより、理論的かつ柔軟な思考力や分析力、的確な問題解決能力など、研究開発分野で活躍できる基礎能力を身につけることができる。

大学での数学は大まかにいって、抽象的な概念を扱う理論体系の研究を主とする純粋数学と、数学の基礎を修得したうえで、自然科学や社会科学・工業分野と関連しながら学際領域を学ぶ応用数学に分けられる。

純粋数学では、まず、ベクトルや行列の考え方を一般化する線形代数学、高校での微積分を厳密に定義して一般化する微分積分学などの基本となる科目を学ぶ。その後、専門として、代数学、幾何学、解析学の 3 つの分野に進んでいく。

代数学は、もともとは数の代わりに文字を使い、数の性質や関係、計算の法則や定理、方程式の解法などを研究する学問であった。しかし、19世紀以降の現代数学ではその範ちゅうを拡大し、一般的に代数系を研究する手段・分野として位置づけられている。代数学の分野として、線形代数学、整数論、群論、環論などが挙げられる。

幾何学は図形や空間の性質を研究する。微分幾何学、トポロジー(位相幾何学)、計算幾何学、代数幾何学などの概念を学ぶ。

解析学は微分積分学を基礎として、物理学と深く関わりながら発展した分野である。物理学はもちろん、工学や医学、経済学など様々な分野へ応用されている。微分方程式論、複素解析などの研究分野がある。

応用数学は、コンピュータを積極的に利用し、様々な分野に関連して発展してきた。その一例として、数学的・科学的手法を用いて、自然科学・社会科学の諸問題や現象の効率を最大限に高めるための分析研究を行うオペレーションズ・リサーチが挙げられる。

また、プログラミング理論や計算法などコンピュータに役立つ数学を学ぶ情報数学、時間の経過を含む確率過程を学ぶ確率論をはじめ、経済学、政治学、社会学、心理学といった分野でも応用されるゲーム理論なども応用数学分野の領域である。

学べる学科

  • 数学科
  • 数理科学科
  • 数理情報学科
  • 応用数学科
  • 数物科学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

数学は理系だけでなくあらゆる分野に応用可能です

明治大学 総合数理学部 現象数理学科 3年
K・Kさん(秋田県立秋田高校卒)

3年秋学期 MON TUE WED THU FRI
1 生徒・進路指導論 特別活動論
2 教育課程論 数学科教育法
3 現象数理研究II
4 EnglishIIIB 教育実習I 現象と代数 明治大学の歴史II
5 偏微分方程式とシミュレーション 現象数理研究II

ひと言コメント

身の回りにある現象を数学で解明するのが現象数理学です。この学科では、数学がいかに便利で、人の役に立つかを肌で感じることができます。「数学=理系」というイメージが強いと思いますが、実際は経済学や社会学など、あらゆる分野に応用可能な分野なのです。興味を持って取り組んでいる授業は、 2 年次から履修できる「現象のモデリングとシミュレーション」「現象数理学実験」や 3 年次の「偏微分方程式とシミュレーション」です。特に「偏微分方程式とシミュレーション」は、ある現象を数理モデル化(数式化)し、それを用いて、シミュレーション(プログラミング)するという内容で、現象数理学のおもしろさを体感できると思います。

気になる授業

お茶の水女子大学 理学部 数学科

線形代数学I

連立一次方程式の解法の考え方から学び、行列の理論の導入を図る。連立方程式の解法を係数行列の操作とみなし、体系化したものが行列の理論の始まりと考え、行列の演算定義から理論展開、連立方程式との関わりを確認しつつ、高度な理論展開へと学びを深めていく。

ベクトル解析

2 次元、 3 次元における積分公式を主に取り扱う。積分公式の定義から始まり、 2 次元配分、曲線と線積分と学んでいくことで、最終的にはグリーンの公式、ガウスの発散定理、ストークスの定理といった積分公式の証明を理解し、その公式に現れる様々な量の理解を目標とする。

位相空間論

一般化された距離の概念を持つ空間(距離空間)に対して、写像の連続性や点列の収束性を考察することで、コンパクト性や完備性などを研究。また、位相の与えられた空間(位相空間)を対象に、写像の連続性や点列の収束性、コンパクト性、連結性、分離性などを学ぶ。

将来のフィールド

主な活躍の場

システムエンジニア・プログラマー 製造 情報通信などのサービス業 金融関係 研究職 中学校・高校教員 公務員 など

数学の専門知識や柔軟に思考できる能力、論理的思考力を生かす職業が増えている。例えばコンピュータのシステムエンジニアやプログラマーとして、製造業、情報通信などのサービス業や金融業界、官公庁などに就職している人が多い。

最近では、大学院への進学率が高くなっている。修士課程修了後は一般企業などへの就職が大半だが、大学の研究職に進む人もいる。

めざす資格・受験資格など

アクチュアリー ITパスポート試験 情報検定(J検) 情報処理技術者試験 中学校・高校教諭 1 種免許

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学びの最前線を知る!

イマナビ 10進数で300桁以上の素因数分解が情報を守る

 スマートフォンなどで利用される「LINE」は、大人気の情報通信アプリケーション。ところが「LINEの信号の暗号化が弱く、情報が流出する可能性がある」あるいは「ある国の政府筋がLINEの情報を傍受している」とのうわさが流れる騒ぎが2014年に起きた。ちょうど、LINEの「なりすまし詐欺」が多発した時期とも重なり、ブログやSNSなどを通じて、こうした情報が拡散した。

もちろん、LINEの暗号技術に問題はない。「LINEは、国際基準を満たした最高レベルの暗号技術を使って通信されているので、傍受は実行上不可能」と説明されている。その暗号技術が、2048ビットのRSA暗号と呼ばれるもの。RSA暗号とは、桁数が大きい整数の素因数分解が困難であることを安全性の根拠とした公開鍵暗号。例えば、33を公開情報として、素因数分解した 3 と11が秘密鍵となり、データを守る。33なら簡単だが、6887(71×97)の場合は少し時間がかかり、さらに大きな数の素因数分解では膨大な時間がかかる。1024ビットだと10進数で300桁程度の数字になり、1024ビットのRSA暗号は、標準的なPCでの解読に2,000年以上、スーパーコンピュータでも10年ほどかかるとされる。2048ビットRSA暗号ではさらに長い解読時間が必要で、実質的に解読不能といえるだろう。インターネット上の秘密は数学に基づいた暗号技術で守られている。