保健・人間福祉学

保健・人間福祉学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、保健・人間福祉学に関する興味を広げよう。

健康で人間らしい「生」への支援

何が学べるのか

少子高齢化が進むなかで、在宅医療の推進や、「人間的な生」をまっとうするための終末期医療などが重要性を増している。高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らせるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」も構築される。一方、障がい者が地域社会のなかで自立し、健常者とともに普通に生活できる社会をめざすノーマライゼーションの考え方も定着し、福祉を取り巻く環境も大きく変化してきた。それだけに、医療と背中合わせの関係にある保健・福祉分野への期待が高まっている。保健・福祉の対象やその仕組み・制度などに精通し、高度な知識と現場で生きる技術を備えた専門職の養成が急務であり、その役割を担うのが保健・人間福祉学系である。

福祉系の学問には、人のより良い暮らしを考える人間福祉学や健康を科学する保健学、社会規範としての視点から、社会環境や社会制度・法律を中心に学ぶ社会福祉学をはじめ、介護福祉学、医療福祉学などがある。

保健学は、健康の探究とその維持増進を目的とする様々な科学を統合した総合的な学問。心身の健康を保ち、病気の予防から早期発見・治療、回復に至るまでの研究を通して、社会の福祉向上をめざす。医学が病気そのものを扱うのに対して、保健学は病気を含みつつ、人の健康の経済・社会、文化面や食生活なども研究する。個人の体や心のケアについてだけでなく、家庭や地域における人々の健康維持や増進の方策、さらに海外の医療が不十分な地域での国際支援活動なども研究対象になる。

人間福祉学は、誰もが安心して幸せに生きていける社会の実現をめざして、人間の幸福に関わる様々な問題を実践的に研究する。高齢者や障がい者・児童といった社会的弱者、家庭内暴力を受けているDV被害者、貧困による生活困窮者やホームレスなどを福祉的立場からどのようにサポートし、援助・支援するかを考える。

この学系では、各種社会福祉施設や行政機関で、介護や支援を必要とする人たちに適切な援助をする社会福祉士、医療ソーシャルワーカーや精神保健福祉士、さらに様々な福祉の現場で活躍する介護福祉士などを育成する。幅広い知識・教養に加え、何より人間に対する深い愛情と理解を持った人格を備えていなければならない。

学べる学科

  • 人間科学科
  • 健康福祉学科
  • 保健福祉学科
  • 医療福祉学科
  • 人間健康学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

将来に向けて福祉の基礎力と、実践的な力を身につけています

大妻女子大学 人間関係学部 人間福祉学科 人間福祉学専攻 4年
H・Kさん(広島県立呉宮原高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1 社会福祉援助技術論III-A
2 社会保障II 福祉行財政と福祉計画B 保健医療サービス
3 福祉サービスの組織と経営 家政学実習B
4 在宅介護論 相談援助実習事前指導 相談援助演習VI
5 地域福祉の理論と方法II ケアマネジメント論 社会福祉学セミナーII

ひと言コメント

将来、児童が抱える虐待、いじめ、不登校などの問題解決の支援に携わる職業に就きたいという思いから人間福祉学科を選びました。 1 、 2 年次の授業は基礎的な内容が中心となり、児童、高齢、障がい、地域分野について幅広く学びました。 3 年次は基礎知識を基にした実践的な授業が増えます。「社会福祉援助技術論III−A」では事例を用い、全体で意見を出し合うことで理解を深め、具体的な援助方法をイメージしていきます。どういう援助をするべきかすぐに正解を求めるのではなく、「なぜそうなるのか」と根拠づけて考えたり、ほかの人から自分と異なる意見を聞いたりする過程が自分の力につながっています。受講するたびに新たな発見ができるこの授業はとても魅力的です。

気になる授業

立教大学 コミュニティ福祉学部 コミュニティ政策学科

ウエルネス福祉論

ウエルネスとは何かを理解し、「よりよい生き方とは何か」というテーマに関して、様々な観点から考察。ウエルネスを構成する生きがい感、健康観、生活環境の基本的な考え方を学び、福祉との関わりのなかで、ウエルネスを実践するためのアプローチについて考える。

現代コミュニティ論

社会学の視点から福祉に関わる事例を基に、コミュニティの課題について考察。人々の地域に関わる意義や、都市生活における匿名性や異質性、伝統社会における生活の抑圧などの具体的事例に触れ、現代のコミュニティを問うことの意義などについて学ぶ。

障害者スポーツ実践論

障がい者スポーツの意義と理念、様々な障がいについて理解する。障がい者スポーツのルールや技術、用具の工夫、指導法を体得し、スポーツを創造する能力を養う。実際に障がい者スポーツ・ボランティアに参加し、実践的な活動を行いながら学ぶ。

将来のフィールド

主な活躍の場

学校(教員) 病院、各種福祉施設 福祉関連企業 国や自治体の福祉行政部門、保健所 など

卒業後は、大半が専門知識を生かして学校の養護教諭や病院、福祉関係の施設で働いている。

保健学系、人間福祉学系ともに国家試験に合格して、社会福祉士や介護福祉士として関連業務に携わるケースも多い。最近では民間の福祉サポート企業への就職も増えている。

高度な知識を持つ専門家の存在が今後必要性を増すことが予想されるため、大学院へ進学して専門知識の修得をめざす人も多い。

めざす資格・受験資格など

保健師 養護教諭1種免許 社会福祉士 介護福祉士 社会福祉主事(任用)

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 2025年問題と地域包括ケアシステム

保健・福祉に関する「2025年問題」が重要な問題になっている。2025年には、戦後ベビーブームに生まれた「団塊の世代」全員が75歳以上の「後期高齢者」になる。国を支える側だった団塊の世代が給付を受ける側に回るため、医療・介護・福祉への需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れる危険性が指摘されている。全国民の5人に1人が75歳以上の社会は、医療・福祉・年金・保険制度などが大きな転換点を迎える。後期高齢者の1人あたり年間医療費は約92万円、社会保障給付費は全体で145兆円近くに達するとの推計もある。しかも、医療や介護・福祉関連のニーズが高まる一方で、少子化の進行によって、医療や介護に従事するスタッフ不足が深刻になる。

そこで「地域包括ケアシステム」というスタイルが考えられている。「地域包括ケア」とは、高齢者が重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように、住まい、医療、予防、介護、生活支援を一体的にバランスよく提供する仕組み。在宅医療や訪問看護、訪問介護などが中心になるため、医療と福祉・介護関連の従事者らによる多職種連携、家族や地域住民、市区町村の行政を含めた連携システムが鍵になり、地域ごとの自主的な取り組みが求められる。

看護・保健・福祉分類のその他系統