歯学

歯学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、歯学に関する興味を広げよう。

重要性が高まる口腔医療を担う

何が学べるのか

ほとんどの人が一度は歯医者さんのお世話になったこ とがあるだろう。一般的に歯科医師は、うしょく(むし歯)や歯周病など、口のなかの治療を専門にするお医者さん、というイメージであろう。歯科医師を養成するのが歯学系だと思われがちだが、それだけではない。歯科医師を養成する歯学科と、それ以外の教育を行う口腔保健学科、口腔健康科学科などもある。

歯学の最も大きな役割は、口腔組織や顎、その周辺の疾患を治療して機能を回復させること、そして疾患の予防対策を講じることである。しかし、最近の歯学部における研究や診療の実情を見ると、遺伝子組み換え実験や脳神経外科分野へのアプローチなどが進められており、従来のイメージとは様相が大きく変化している。

歯や顎など、口腔部は全身の健康にとって非常に重要な位置を占める部分である。食べることや話すことは、健康な口腔によって初めて成り立つ。したがって、今歯学に求められているものは、単に口腔疾患の治療だけではなく、人間のQOL(Quality of Life)に深く関わっている歯の健康を、体全体の問題として積極的に取り組むことである。このようなニーズに対応して、歯学科では、うしょく(むし歯)や歯周病の治療に加え、顎や顔面の疾患も研究領域としている。さらに、口腔部と深く関係している脳の機能も含めた、幅広い研究が進められている。

研究分野の拡大が進む一方、保健・医療が一体となった歯科教育の重要性にも注目が集まっている。高齢社会に対応した高齢者歯科学や障がい者歯科学、食生活指導などを含めた予防歯科学分野の比重が一層高まっている。また、臨床実習前に行われる全国共通の共用試験(CBT・OSCE)が2005年から本格的に導入された。原則として臨床実習に入る前の 4 年生を対象に行われる。合格後に、診療の見学や実際に患者の治療を行う臨床実習へと進むことになる。

口腔保健学科や口腔健康科学科など、歯科医師養成以外の教育を行う学科は、近年の口腔疾患の予防や健康管理へのニーズの高まりに応えたものだ。保健・医療・福祉に関する知識を備えた、口腔保健分野での専門家を養成する。修業年限は 4 年で、卒業時には歯科衛生士や社会福祉士の国家試験受験資格を得ることができる。

学べる学科

  • 歯学科
  • 口腔歯学科
  • 歯科衛生学科
  • 口腔保健学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

歯科医師をめざす同期たちと、日々ともに学んでいます

日本歯科大学 生命歯学部 生命歯学科 4年
M・Wさん(埼玉県立松山高校卒)

4年後期 MON TUE WED THU FRI
1 歯周病学(実習) 病態病理学 感染微生物学 歯科材料技術工学 口腔内科学
2 口腔分子機能学 口腔衛生学 局部床義歯補綴学 歯科麻酔・救急処置
3 歯周病学(講義) 総合臨床基礎学(実習) 歯髄・根尖歯周疾患治療学 補綴学(実習) 口腔外科学(実習)
4 人体の組織 薬物療法学
5

ひと言コメント

同級生全員が歯科医師になることをめざし ており、同じ目標を持つ仲間と一緒に日々 学習しています。歯科大学では歯のことだけを勉強するとい うイメージがありますが、口のなかはもちろん、体全体の幅 広い知識と技術を 6 年かけて学びます。その分、授業も実習 も多いため、 4 年制の一般大学に比べると試験の準備は大変かもしれません。 4 年生になると毎日実習があり、歯科治療 の技術を実践的に身につけていきます。先生方の指導は厳し いこともありますが、どの先生も愛情を持って丁寧に教えて くださいます。授業は実際に歯科医療の現場で用いる知識や 技術ばかりなので、授業後の復習を欠かさず行い、しっかり 身につけるよう気をつけています。

気になる授業

東京医科歯科大学 歯学部 歯学科

歯科材料の成形技術と臨床

歯科材料の成形加工技術を身につけ、器材の操作とともに、様々な臨床場面において適切な歯科材料を選択するために必要な組成・特性についての基礎知識を修得する。さらに、歯科器材のクラス分類と認証・承認や、生体材料の生体安全性についても学ぶ。

顎口腔医療

外科的治療を要する口腔・頭蓋・顎顔面領域における疾患の病因・病態を理解する。さらに、様々な疾患に対しての予防、診断および治療のための知識と基本的技能を修得する。顔面・顎・口腔領域に発生する疾患に対しての基本的検査、カルテ記載、外科処置についても学ぶ。

人体解剖実習

身体の内部構造を剖出する作業を通して、人体の正常な構造を肉眼的なレベルで三次元的に観察する。人体構造の形態学的特徴と機能的特性を有機的に修得する。生命の尊厳に触れ、倫理観を養うとともに、献体の意義についても考える。

将来のフィールド

主な活躍の場

歯科医院 歯学研究所 保健所 医療関連企業 など

歯科医師になるには歯科医師国家試験の合格が必要である。試験合格後 1 年間以上の卒後臨床研修が終了すると、進路は以下の 2 つに大きく分けられる。勤務医や開業医の道を歩む人が大多数を占める一方、大学院へ進学して研究者や医療行政担当者をめざす人もいる。

歯学科以外の学科には、歯科衛生士や社会福祉士の国家試験受験資格が取得できるところもある。卒業後は、その資格を生かした多彩な分野での活躍が期待される。

めざす資格・受験資格など

歯科医師 歯科衛生士 歯科技工士 社会福祉士

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ スポーツパフォーマンスと歯の意外な関係

歯は多くの機能をもっており、物を噛むという基本的な機能や会話をする際の発音を助ける機能などがある。

さらに歯は、スポーツパフォーマンスにも深く関わっている。健康な歯で食べ物を細かく噛み砕いて、消化吸収を助けるとともに、身体に必要な栄養が体内にしっかり取り込まれることで、よいコンディションが保てる。また「全身を支える」機能もあり、特に「スポーツ咬こう合ごう」と呼ばれる「噛み合わせ」がスポーツの成績に直結する。噛み合わせが悪いと、顎の筋肉に無理な力がかかり、その筋肉につながる首すじの骨や筋肉も影響を受け、腕や肩や背中に痛みや疲労感が広がる。しかも顎の骨は全身の骨と繋がっており、そのズレが脊柱や骨盤から全身の歪みへとつながる。噛み合わせの良さが有効に作用する競技もわかっており、全体の約70%もの種目でパフォーマンスに関わるとされる。メジャーリーグでは、噛み合わせの調整が契約条件のなかに入ることも珍しくない。

こうした歯に関する知識を持つプロが日本体育協会公認の「メディカル・コンディショニング資格」のなかの「スポーツデンティスト」。歯科医師の立場から選手を強力にサポートする。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでもスポーツデンティストの活躍が期待される。

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