医学

医学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、医学に関する興味を広げよう。

医学的な知識・技術だけでなく人を理解する心を養う

何が学べるのか

医学は、人間の健康の維持・増進および疾病の予防と治療に貢献することを目的とし、人間を直接学問の対象としているのが特徴である。

その分野は大きく基礎医学・臨床医学・社会医学の 3つに分類される。

基礎医学では主に人体の構造や機能を明らかにする。献体解剖実習などを通じて人体の細かい構造を学ぶ解剖学、呼吸・循環・消化など生命現象のメカニズムを学ぶ生理学、病気の原因を明らかにし、病気の発症から結末に至る論理的な筋道を研究する病理学などの分野がある。

臨床医学は、患者に接しながら各種病気の原因と症状に対する診療と研究を中心に行う。内科系と外科系があり、内科系では、消化器・循環器・呼吸器・神経系などの主に内臓の病気を扱う内科学や小児科学、精神系医学などがある。外科系には脳神経外科学、整形外科学、小児外科学、移植外科学、眼科学などがある。

社会医学には、法医学や、社会集団の健康保持や病気への対策・予防を主に研究対象とする公衆衛生学などがあるほか、地域医療など医学の社会適応をめざすものも含まれる。

研究領域は、自然科学はもちろん、人文科学、社会科学にまで及び、「いのち」を倫理学や社会学、宗教学、哲学といった学際的見地から考えようというバイオエシックス(生命倫理学)も新たな分野として確立された。

さらに社会全体の医療や健康への関心が集まりつつある。インフォームドコンセントの提唱や終末期医療、緩和ケア、尊厳死といった人間の生と死に関する問題が相次いでクローズアップされ、患者の人権あるいは生命そのものへの尊厳を求める声が高まっている。こうしたなか、2005年から全国の医学部で、臨床実習履修前の 4 年生を対象に、基礎・臨床知識の理解と問題解決能力を評価する客観試験CBTと態度・診察技能を評価する客観的臨床能力試験OSCEから構成される「共用試験」が実施され、合格しないと臨床実習には進めなくなっている。

医療を取り巻く環境が変化するなかで、医学を志す者には、知識や技術的能力だけでなく倫理的・道徳的責任感、さらに人間を深く理解しようとするヒューマニズムあふれる人格が要求されている。

学べる学科

  • 医学科
  • 生命医科学科

どのように学ぶのか時間割をチェック

医学の勉強はとにかく忙しい! 高校時代にやれることはやっておこう

福島県立医科大学 医学部 医学科 4年
A・Hさん(千葉県立東葛飾高校卒)

4年後期 MON TUE WED THU FRI
1 法医学 生殖・周産期 精神 放射線診断治療学 衛生学・公衆衛生学・疫学実習
2 視覚
3 救急・災害医療
4 運動器・リハビリテーション 臨床薬理学 感染制御
5 頭頸部・口腔 皮膚・形成 緊急被ばく
6 性差医療 腫瘍内科学

ひと言コメント

将来は人の役に立てる仕事に就こうと思い、医師になることをめざして福島県立医科大学に進みました。福島という土地ならではかもしれませんが、「緊急被ばく」の授業では、東日本大震災での原子力災害の教訓を生かし、被ばくした患者をみるときはどういう対処をとればいいのかなど、過去の事例を交えた実践的な内容を含んだ授業が印象的でした。大学に入ると、医学の勉強で忙しく、とにかく膨大な知識を覚える必要があります。一方で、医療に関する周辺事項の勉強をする時間が取れません。例えば、がんの告知、胎児の出生前診断などの倫理的な課題や、iPS細胞をはじめとした生命科学の知識などは、高校時代に勉強しておくとよいと思います。

気になる授業

京都府立医科大学 医学部 医学科

解剖学

人体を構成する分子・細胞・組織・器官・系の理解と、それぞれの関連について構造を基本的に把握し、それらが機能的・発生学的にどのように関連しているかについて学ぶ。骨学、人体解剖、脳などの各実習を通して、医学・医療を中心とする社会でのチームワーク、協調性を養う。

分子医科学

酵素、遺伝子、ビタミン・ミネラルなど、分子医科学の分野における必須の知識を修得する。実習では研究手法の基礎を修得し、実験を通じて講義で得た知識の理解を一層深めるとともに、生命現象を解析し、疾病の理解へと結びつけていく能力を身につける。

感染病態学(微生物・医動物学)

 寄生虫、細菌、ウイルスなどの病原体の生物学を系統的に学び、各病原体が人に感染し、疾患を引き起こす機構やその対抗措置について理解する。講義では学内外の研究者による特別講義を実施。実習では基礎的な実験を通じて医師、医学者にふさわしい応用力と問題解決力を身につける。

将来のフィールド

主な活躍の場

病院、医院、産業医 医療関連施設 医学研究機関 など

卒業生の進路は、臨床医・基礎医学研究者・行政者の 3 つに大きく分かれる。卒業後、医師国家試験を受験し合格すると、正式に医師免許が得られる。そして、大学病院などで研修医として 2 年間以上の臨床研修が義務づけられている。研修終了後は医療の最前線で活躍する人が多く、大学院などで基礎医学の研究医を志す人もいる。

そのほか、公衆衛生学・環境医学の研究に関わったり、医系技官として社会医学の分野で活躍する場合もある。

めざす資格・受験資格など

医師 臨床検査技師 救急救命士

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ がんの完全征圧まで、あと少し!?

1981年以降、日本人(40~₈₉歳)の死因第 1 位であり続ける「がん」。年次推移でも一貫して増加傾向にあり、日本人のおよそ 3 人に 1 人が「がん」で亡くなっているといわれている。現状では、できるだけ早期に発見して、がん化した部位への放射線療法・化学療法・手術療法・抗がん剤療法・免疫療法などで対応するしかない。「がん細胞は、元には戻らない」というのが常識だ。

ところが、こうした常識を根本から覆す、画期的な治療法が発表された。鳥取大学の三浦典正准教授らの研究チームは、悪性度の高い未分化のがん細胞に、たった 1種類のマイクロRNA「miR-520d」を導入するだけで、幹性誘導を通して12時間程度でがんの形質を失わせることをマウスの実験で発見した。がん細胞を簡単な操作で短時間に正常細胞に誘導する技術で、三浦准教授らは“驚異的”と表現したほど。マイクロRNAはほかの細胞に悪影響を与えないため、副作用の心配もない。現在、薬としての実用化をめざしており、再生医療としての応用も視野に入っている。

実現すれば、がん患者の体内でがん細胞を元の健康な細胞に戻すことで、がんを完治させるという、次世代型の新しいがん治療が誕生する。

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