哲学・倫理学・宗教学

哲学・倫理学・宗教学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、哲学・倫理学・宗教学に関する興味を広げよう。

「生きること」の根源について考える

何が学べるのか

哲学・倫理・宗教学の分野では、人間が生きていくうえで避けることのできない「生きる意味」「生き方」「信仰」といった「見えないもの」への問い、あるいは、これらを問うこと自体の意味について学問的に探究する。

哲学は、人間の存在や思考に関する諸問題を研究する。様々なかたちに分類されるが、おおまかに西洋哲学と東洋哲学に区分される。西洋哲学では、古代(ギリシア哲学)、中世(キリスト教哲学)、近世(ルネサンス以降)、近・現代といった時代区分や、現象のみを実在とする立場をとる現象学や、言語分析や概念分析を中心的な手がかりとして様々な問題を考える分析哲学といった方法論 的区分がなされる。また、東洋哲学には、インド哲学、中国哲学や日本哲学などがあり、仏教思想や儒教思想とも深く関わる。哲学で扱われるテーマには真、善、美、正義、神、存在、時間、知識、本質、同一性、理性、因果、自己と他者などがある。

倫理学には、伝統的な研究に基づく、価値、自由、愛、行為などの倫理に関する諸原理についての研究と、これら原理の個別領域への適用である応用倫理とがある。生命の質と尊厳とを扱う生命倫理、環境と人間との関係を扱う環境倫理、情報開示やインターネット社会での諸問題を扱う情報倫理、営利追求を目的とする企業が社会に対して遵守すべき規範としての企業倫理など、現代社会の諸問題も取り扱う。また、生物学、医学、心理学など、他分野と共同で進める研究もある。

宗教に関する学問では、宗教や宗教的行為について研究する宗教学や真理や神の存在を哲学的な側面から研究する宗教哲学などの宗教一般の研究と、仏教学、キリスト教学、イスラム教学をはじめとする個別の宗教の研究とに分かれる。個別宗教の研究では、制度や施設に関する研究も行われ、地域や集団、歴史などによる相対化に取り組んだり、社会学、文化人類学の視点から研究を進める大学や、聖職者の養成を目的にする大学もある。

これらの学系は、どこを足場にしても、根源的に問うという姿勢は変わらない。グローバル化が進む現代が劇的な変化を続けるなかで、「何のために生きるのか」「どのように生きるべきか」などの普遍的な問いに対して、人間の根源的な在り方という視点からの提言を行っている。

学べる学科

  • 哲学科
  • 神学科
  • 仏教学科
  • キリスト教学科
  • 思想文化学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

人にまつわる現代社会の問題に目を向け、深く掘り下げます

上智大学 神学部 神学科 4 年
A・Kさん(神奈川県 私立聖セシリア女子高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1 神と人間II(創造と救済) カウンセリング概論II 生活と聖書 スピリチュアリティとケア実践
2 卒業論文ゼミナール キリスト教文学II
3 心理臨床学II 生と死/痛みのケアリング・コロキウム
4 宗教哲学 ボランティア演習
5

ひと言コメント

生きることが前提となり死が希薄化した現代において、失われがちな死生観や、罪を犯してしまう不完全な人間という存在を真摯に見つめ、それぞれ固有の命を授けた神と人間との関係性を学びたいと思い、神学科を志望しました。「神と人間」という授業では、死刑の是非をテーマに、科学者であり神父でもあったテイヤール・ド・シャルダンの思想に触れ、毎回レポートを提出し、自分の考察を表面化する力をつけていきます。神学を学ぶことで、他者との関わりを大切にするようになるとともに、人間の内面から生まれる現代社会の問題にも視野を広げられるようになりました。将来は大学院に進み、人々を宗教的にケアする職業に携わりたいと思っています。

気になる授業

南山大学 人文学部 キリスト教学科

聖書入門B

新約聖書世界の歴史的背景、新約聖書の全体構成、新約聖書の聖典成立史を概観する。これらを踏まえたうえで、イエスを中心とした 4 つの福音書の物語から黙示録まで、27の書物を順番に読み解き、新約聖書の中心的な神学的概念や教会における位置づけを理解する。

キリスト教学基礎演習III

徳を中心に人間の行動や道徳を考える立場を示す徳倫理(学)について学ぶ。西洋の徳倫理に関する文献を読み、理論上の特徴と歴史的背景を学ぶ。個々の徳目についての具体的説明を手がかりに、日頃の経験に即して考えを深め、文章を正確に読解する態度を修得する。

キリスト教学演習I

近代以降の西洋思想および思想と関わりの深いキリスト教文化、日本を含めた現代世界における宗教・無宗教の状況のなかから、関心のあるテーマを設定。文献・資料を調査・読解する技術を学ぶ。現代の宗教状況に対する専門的な知識を身につけることを目標とする。

将来のフィールド

主な活躍の場

マスコミ・出版関係 公務員、教員 金融、商社、流通、製造、サービス 寺社、教会 など

深く多岐にわたる専門性という研究領域の特質上、専門的知識を生かせる業種は限られる。その一方で、幅広い分野で活躍する出身者も多い。業種としては、マスコミ・出版関係、金融、商社、流通、製造、サービス、公務員など、文系他学科と同様である。

専門性が生かせる分野では、教育関係、司書、学芸員などの資格を要する業種。宗教系では、住職・神官など、各宗教の教団関係職なども挙げられる。専門的な研究ができる環境を求め、大学院へ進学する人もいる。

めざす資格・受験資格など

中学校・高校教諭 1 種免許 司書 学校図書館司書教諭 社会教育主事(任用) 社会福祉主事(任用) 学芸員

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ ヨガに映画、英会話!? 現代のお寺の新しい取り組み

「お寺」といえば初詣で参拝したり、法事の際にお坊さんのお経やお話を聞いたりするくらいで、自分とは遠い存在と感じる人が多いかもしれないが、近年、そのお寺に新しい動きが起こっている。

例えば2014年、東京都心のビルのなかに、宗派に関係なく誰もが気軽に立ち寄れる「みんなのお寺」(十輪院仏教相談センター)が開設された。ここでは先祖供養や仏事相談ができるのはもちろん、朝夕の勤行や写経、人生相談などができ、悩み多き現代人のよりどころとなっているという。ほかにもお寺に設けられたカフェで気軽に悩み相談などができる「寺カフェ」や、お寺で英語を学べる英会話教室、「寺ヨガ(お寺で行うヨガ教室)」、「寺シネマ(お寺での映画上映会)」といった様々なイベントを開催しているお寺もある。

元来、お寺と人々の間には檀家制度による深いつながりがあった。しかし時代とともに檀家制度への意識の薄い若い世代が増え、お寺と人々との関係は希薄になっていった。そんな変わりゆく社会のなかで現代人にとっての新しい価値を見出すべく、お寺も待つだけでなく、自ら働きかける多様なスタイルを取り入れはじめたのである。そんな新しいお寺にみなさんもちょっと立ち寄ってみてはどうだろうか。