外国文学

外国文学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、外国文学に関する興味を広げよう。

異文化の文学を肌で感じる

何が学べるのか

文学は私たちに他者の思考や人生、異なる社会や世界を体験させてくれるものである。これを趣味の鑑賞の域にとどめず学問として専攻するということは、その表現技巧や詩的言語を分析したり、歴史的・文化的背景やジェンダー、精神分析の諸理論などの様々な視点から新しい読解の可能性を探ったりするということだ。言語表現そのものへの理解と、作品成立の背景・土壌となる文化・社会への理解とが複合的に組み合わさって初めて、文学テキストを理解できるので、幅広い知識や興味が必要である。

外国文学系には、英米文学をはじめ、ドイツ文学、フランス文学、中国文学などの学科がある。ジャンルは小説・戯曲・詩・評論など多岐にわたり、そのアプローチも、作家研究、特定地域・時代の文学研究、あるいは、異種の文学の比較研究と様々だ。文学作品にアプローチするように、映画や歌などほかの芸術作品を研究対象とすることも増えている。

文学作品を糸口に、あるいは文学テキストとその外側のコンテキスト(文化・社会・歴史的文脈)とを区別せず、その文化圏の様々な事象(例えば自然観、戦争問題、 スポーツ文化、ポップ・カルチャーなど)を究明していく。また、歴史学や宗教学からのアプローチによる作品研究も多くなっており、複数分野にまたがる学科で研究 を行うケースもある。

外国文学専攻に語学習得は大前提で、特に読解力を伸ばす訓練は不可欠だが、大量の文献資料に日々取り組むことで、読解の実力がつくともいえる。また、作品講読に加えて文学作品の背後にある、異文化への広く深い理解を得るために必要なコミュニケーション能力を養う、総合的な語学力向上をめざしたカリキュラムを設定している大学は数多い。文学テキストの向こう側を読み解くためだけでなく、今日の外国文学系の学問は、外国語系の領域にも深く浸透し、国際化社会に適応して実業社会においても活躍できる有用な人材を輩出するために、コミュニケーションツールとしての語学を重要視していく 傾向にある。留学や海外研修、ワーキング・ホリデーなど独自のプログラムを用意し、語学力・コミュニケーション能力を伸ばしたいという学生の要望に応えている大学も多い。

学べる学科

  • 英語英文学科
  • 英語英米文学科
  • フランス文学科
  • ドイツ文学科
  • 中国文学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

毎日が英語漬け。英語を学ぶには間違いなく最高の環境です

同志社大学 文学部 英文学科 1年
J・Jさん(広島県 私立広島城北高校卒)

1年後期 MON TUE WED THU FRI
1 フランス語入門II 英語学I 英文学史I
2 TOEFL Preparation Listening AII 翻訳入門 Writing AII
3 Reading AII 比較言語文化論(南北アメリカの移民と労働) 英米文学特論A(アメリカ文学入門) Speaking AII
4 英米文学特論A(英文学のためのギリシア・ローマ神話) 英米文学特論A(英米の出版文化)
5 フランス語入門II

ひと言コメント

大好きな海外の文学や文化、それを学ぶだけでなく、将来は英語を用いて海外で働いてみたい……。そんな贅沢な願いを一挙にかなえてくれそうだったのが同志社大学の文学部英文学科でした。入ってみると、まさに英語を学ぶには最高の環境。これ以上は望めないほどの教授と授業でした。私が好きな授業は「翻訳入門」です。実際の英米文学の一部を抜粋して、自分なりに翻訳するという授業なのですが、いわゆる高校の授業の和訳とは異なり、 文学作品として読めるような、きれいな訳文を書くことが求められます。英語の語彙力だけでなく、日本語のセンスも問 われるので、楽しいながら苦しい授業でもあります。 2 年次からはゼミも始まるので、今からワクワクしています。

気になる授業

東京女子大学 現代教養学部 ※人文学科(英語文学文化専攻)

英文学史I

中世・ルネサンス期から王政復古期に至るまでのイギリス文学の歴史を、政治・経済・文化の有機的な発展という観点から概観する。社会の変化と文学ジャンルの変容・交替のメカニズムを個別の作家・作品を中心に学ぶことにより、文化構造論的にイギリス文学を把握する。

英語文学(詩)II

英語の韻文で書かれた様々な詩を読み、発音することで、詩の韻律や音楽的リズム、散文とは異なる詩のナラティブ(物語)、象徴性や修辞表現、主題などを考察。マザー・グース、シェイクスピアのソネットなど、多様な詩的表現を精読し、批評的分析手法を実践的に学ぶ。

英語文学演習(演劇)B

現代イギリスの代表的な劇作家キャリル・チャーチルの『トップ・ガールズ』を取り上げ、演劇、女性と仕事と家庭、女性と政治などの問題を多角的に分析する。議論では、多民族・多文化主義を掲げる、現在のイギリスの多様な女性たちの立場や意識についても考察する。

将来のフィールド

主な活躍の場

商社、金融、流通、運輸、メーカー、外資系の企業 マスコミ・情報通信、通訳、翻訳 航空会社、旅行会社 公務員、学校(教員)、語学学校 など

職種の選択肢は広く、教員・学芸員・司書などの進路も資格取得のうえで可能だが、競争率はかなり高いのが現状だ。

また、大学院進学や、専攻語の教諭免許を取得し、教員をめざす人もいる。

外国文学科出身者に対しては、第一に語学力を、次いで異文化事情に通じていることが期待されている。各業界の国際的な業務において、こうした素養を生かして活躍する人も多い。コミュニケーション能力を生かして外資系企業に就職する人もいる。

めざす資格・受験資格など

中学校・高校教諭 1 種免許 司書 学芸員 通訳案内士

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学びの最前線を知る!

イマナビ 文学と音楽はもともと一体のものだった!?

2016年度のノーベル文学賞にアメリカの歌手、ボブ・ディランが選ばれ、「音楽は文学か?」という議論が巻き起こった。「ボブ・ディランの歌詞は文学としてもすばらしい」という意見や「文学賞はやはり詩人や作家に与えるべきだ」といった声など、賛否両論であったが、そもそも文学の歴史をたどると、文学と音楽は分かちがたく結びついていたということをご存じだろうか。

例えば古代ギリシャでは、詩人の多くは各地を巡り、自作の詩を吟じる(歌う)吟遊詩人と呼ばれる人々だった。有名な吟遊詩人ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』といった長大な叙事詩も、長い間文字化されることはなく、楽器の演奏とともに朗読されていたといわれる。

その後、時代が下るなかで文学と音楽はそれぞれ独立したジャンルとして確立していったが、お互いにインスピレーションを与え合い、文学と音楽(特にクラシック)それぞれの分野で様々な作品が生まれている。例えばトルストイの『クロイツェル・ソナタ』。これはベートーヴェンが作曲したヴァイオリン・ソナタ第 9 番『クロイツェル』に触発されて執筆された小説である。このようなことは現代文学や音楽についてもよく聞く話。現代に至っても、文学と音楽の密接な関係は続いているといえるだろう。