法学

法学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、法学に関する興味を広げよう。

「司法制度改革」により変わりつつある法学

何が学べるのか

法学部は法律を学ぶところ、と当たり前のように思われている。確かに法学部は、六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)や行政法、労働法、税法、国際法などその他の諸法律の条文解釈や運用といった、法の知識を身につける場である。しかし、それだけではなく、個々の法律が社会正義や憲法で保障されるべき人権にかなっているのか、法と道徳はどのように違うのか、またそもそも正義とは何かといった哲学的な問題なども扱い、広い意味で「法」を学ぶ学部でもある。

社会科学を学ぶことの目的が社会を構成する人々の幸福の前進であるように、法学を学ぶことの目的は社会ルールにのっとった権利の実現・救済の前進である。したがって、法学部で学んでいく際、何らかの実利的な動機があるのは当然としても、まずは、権力の暴走を常にチェックしていく民主主義的理性も必要とされている。

法学に関連する環境も変化している。法科大学院を修了した学生を対象とした2006年度以降の司法試験からは、法学履修者で 2 年、未履修者で 3 年の学習後に受験できる。合格率が旧司法試験よりも高くなり、法曹界への進路も、これまでより広がってきたといえるだろう。また、2006年の日本司法支援センター(法テラス)設立、2009年 5 月の裁判員制度の開始など、司法制度改革が進められている。一方で、法科大学院の定員割れ問題に対して、公的支援の見直しの強化が図られている。

社会における法律そのものが果たす役割は大きくなってきている。グローバル化による国境を越えたモノや人の流通量の激増にともない、国際法・国際関係法の重要性が増している。インターネットの普及によって、ネット上での人権侵害や個人情報の漏ろう洩 えい、ネット通販におけるトラブル急増など、情報化社会における法と情報の関係も変化してきている。また、コンプライアンス(法令遵守)の時代になり、ルールに基づいた企業経営の必要性が叫ばれ、法律知識の重要性が日々増加している。法律は私たちの社会や生活と密接に関わっており、法学は、弁護士や検事などの専門職をめざす人だけの学問ではない。現実に進行している実社会の複雑な状況や事態に対して、法的見地を含めて多面的に考察できる実践的な問題解決能力を身につけられる学問でもある。

学べる学科

  • 法学科
  • 法律学科
  • 法経学科
  • 法政策学科
  • ビジネス法学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

大学に入って学んだ法律や政治に興味を持ち、転部しました

名城大学 法学部 法学科 3年
N・Mさん(三重県 私立鈴鹿高校卒)

3年前期 MON TUE WED THU FRI
1 租税法 租税法 企業法 4(損害保険・生命保険と法)
2 行政法 2 行政法 2 企業法 4(損害保険・生命保険と法) 外国法 1(アメリカ法入門)
3 刑事訴訟法 法哲学
4 特設科目B(千賀修一先生 寄付講座「法律入門」) 専門演習(近現代日本の外交と東アジアの国際政治) 法哲学 刑事訴訟法
5 民法 5 家族法
(親族法・相続法)
刑法 2(刑法各論)
6

ひと言コメント

1 年次に教養科目で学んだ法律や政治に興味を持ち、法学部法学科へ転部しました。法学部に入って良かったと思えた授業は「刑法 2 」です。 2時限連続の 3 時間授業で、授業の開始30分は時事問題について、刑法の観点と教員の視点から読み解き、わかりやすく解説してくださいます。世の中で起きているニュースについて理解が深まるだけでなく、そのニュースに対する学生の意見を確認しながら進めてくださるので、同世代はどう考えているのか、多面的に考えることもできます。また、弁護士、検察官、元裁判官、税理士、行政書士の方から、法律に関わる仕事についてお話を伺うことができる講座「特設科目B」などもあります。

気になる授業

関西学院大学 法学部 法律学科

司法福祉

非行少年への援助から始まった司法福祉について、更生保護、矯正、児童福祉、刑事司法、教育、被害者支援など様々な分野を通して基礎的理論を学ぶ。司法と福祉に密接な関わりがある社会的課題や、支援が必要な人々に対する司法福祉実践についての理解をめざす。

犯罪と法 1

刑事法学の特徴、刑法、刑事訴訟法、刑事政策などの相互の関連性を学ぶ。捜査、公判、取り調べの各段階や、裁判員制度などにも触れながら、犯罪の発生から犯罪者処遇の終了までのシステム、刑事裁判の流れ、刑事法の基本概念について理解を深める。

インターネットと法

インターネット上で日々発生している、誹謗中傷、名誉毀損、個人情報保護の問題、オークション詐欺、違法ダウンロード、遠隔操作犯罪などの法律問題について、分野ごとに理解する。LINE、Twitterなどのソーシャルメディアで守るべきルールについても考察する。

将来のフィールド

主な活躍の場

弁護士・裁判官・検察官 弁理士 司法書士・行政書士 公務員 税理士 金融、商社、メーカー、マスコミ など

新たな法的諸問題が生じたり、国際性が求められるなか、法律専門家の活躍の場も変化してきている。法曹界や行政に進む人は少数派で、金融、商社、メーカー、マスコミ、大学院など、進路は多岐にわたる。法科大学院(ロースクール)開設など法学部の位置づけが見直され、法学部がより専門的な人材を法曹界や企業法務などに送り出す場として再認識されている。法実務の専門家を養成する場としての重要性が増している。

めざす資格・受験資格など

司法試験(弁護士・裁判官・検察官) 司法書士 行政書士 社会保険労務士

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 実は高校生も政治家に献金している!?

「政治とカネ」の問題は後を絶たないが、政治家とお金について定めた法律に公職選挙法と政治資金規正法がある。公職選挙法では、選挙に関して政治家と有権者との間の寄附などを禁じている。また政治資金規正法では、個人からの寄附(政治献金)の金額を制限したり、企業や団体からの政治家への寄附を禁止。つまり、政治家個人への巨額な政治献金を禁じている。といっても、政治活動には選挙に出馬したり(衆議院選挙に比例区で立候補するだけでも600万円かかる)、自分の政治団体を運営したり、また事務所を構えたりと、多大な費用がかかる。そこで政治家たちは、有料の政治資金パーティーを開催。そのパーティー券を企業に買ってもらい(ただし、その金額にも制限がある)、政治資金を集めている。

政治家の収入には、もうひとつ「政党交付金」がある。これは政党助成法に基づいて、国から政党に交付されるもの(これが政党に所属する議員の政治活動費として使われる)で、国民の税金(その金額は国民 1 人あたり年間250円)が使われている。言い換えれば、好むと好まざるとにかかわらず、全国民は政治家に献金しているということになるだろうか。政治家が政治資金の使途を明らか にすべきなのは当然だが、そのような資金提供を受けている政治家が、具体的にどのような政治活動を行っているのか、国民の監視やチェックが大切なことは言うまでもない。

法・政治分類のその他系統