家政・生活科学

家政・生活科学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、家政・生活科学に関する興味を広げよう。

「人間の生活」を総合的・科学的に研究する

何が学べるのか

生活科学は、生活者の視点から、人間の生活そのものを総合的・科学的に考察・研究し、豊かな生活の実現をめざす学際的な学問である。生活の基盤とされる衣・食・住をはじめ、家族関係や近隣社会、福祉や環境といった幅広い分野からアプローチして、生活環境や家庭生活・社会生活の向上をめざす。

生活科学は、健康や環境、家族や地域に関する学問を基礎としつつ、社会学、経済・経営学、心理学、人間工学、情報学などとも関わる学際的・総合的な側面を持つ。それとともに、ファッションやインテリア、食生活、ショッピングといった生活場面での状況や問題を常に対象とする具体的な学問である。ここに、生活科学の大きな特徴がある。そのため、理論的な考察にとどまらず、実験や実習、フィールドワークを重視している。社会の変化とともに、生活環境やライフスタイルが著しく変化するなか、人間の生活自体や生活のより望ましい在り方を研究対象とする生活科学を学ぶことの意義は大きい。

研究対象は、日常生活に密着しており、それらの問題の把握や解決方法などを探究する。生活科学・技術領域(被服学、食物学など)、生活環境領域(住居学、環境デザイン学など)、人間発達領域(児童学、生涯発達学など)を中心に、多様な学問領域がある。生活経営領域では、現代の家族や家庭生活が抱える様々な問題を、社会学や経済学、法律学などの観点から総合的に研究する。生活文化領域では、人間生活の文化という側面に注目し、生活文化の歴史を学んだり、諸外国との文化の比較なども行う。生活福祉領域では、福祉の視点から家族や家庭の在り方や社会との関わり方について研究する。生活情報領域では、日常生活における情報の選択や活用、情報化社会における家庭生活の在り方を考える。生活産業領域では、生活と産業、流通、消費との関係などについて研究する。

変化を続ける現代社会において、その核となる家族や家庭について多角的な研究を行うこの分野は、核家族化や少子高齢化の進む現代にあって、ますます重要性を増している。なお、従来の家政系の学部は再編成や名称変更が進み、生活環境や社会環境の大きな変化に対応した「人間生活」全般についての幅広い研究、つまり生活科学系の学部・学科へと変わってきている。

学べる学科

  • 生活科学科
  • 家政学科
  • 生活環境学科
  • 人間生活学科
  • 生活デザイン学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

ものづくりとデザインを軸に、理系の学問も学べます

椙山女学園大学 生活科学部 生活環境デザイン学科 3年
A・Mさん(静岡県 私立浜松海の星高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1 クラフト演習 (編み・織り・陶芸) 教育相談 アパレル環境学
2 インテリア史 生活環境ゼミナール プロダクトパターンメーキング
3 生徒指導と進路指導 アパレル生産実習 プロダクト制作実習III (生活用品) 消費生活論
4 家庭電気・機械
5 家庭科の指導法IV

ひと言コメント

もともと、ものづくりやデザインに興味があったものの、化学や環境学などの、理系の学問も学びたいと思っていました。そして、せっかく大学に行くからには教員免許も取得したいと、自分の希望をかなえる進路先を探すなかで、生活環境デザイン学科が浮かびました。この学科では、アパレルメディア、インテリア・プロダクト、建築・住居という 3 つの分野を学ぶことができ、私はアパレルメディアの分野を中心に学習しています。「アパレル生産実習」では、実際に裏地つきのジャケットやスカートの制作を行い、アパレルの生産について、知識だけでなく技術についても学ぶことができました。 1 年次から段階的に、実践的なカリキュラムが組まれているのも魅力です。

気になる授業

京都女子大学 家政学部 生活造形学科

デザイン人間工学

人間工学とデザイン理論を理解し、様々なデザインに対応できる能力や、建築、アパレル、デザインなどに共通するシステム構築力、構成力を身につける。観察、タスク分析、評価方法などを修得し、どのようなデザインにも対応できる人間工学方法と人間工学理論を学ぶ。

住居学概論

日本の各形式の住居について、歴史・文化・社会の側面から考察を深める。日本の住居の変遷や、気候風土と住居の関係などを理解した後、これらの知識を基に住居設計に必要な図面記号と平面図の作成、展開図の作成などを学び、住居を計画・設計する手法を身につける。

インテリア計画

インテリアに関わる空間要素、カラーコーディネート、人間工学、安全性などのテーマをひとつずつ取り上げ、事例に触れながら、インテリアを考えるうえでの基礎的な知識と考え方について学ぶ。スライドを見たり、実際に家具や素材などに触れて理解を一層深める。

将来のフィールド

主な活躍の場

食品会社 アパレル業界 児童関連施設 設計事務所、住居関連、不動産会社 学校(教員) 公務員 など

卒業生の進路は、食品会社やアパレル関係、設計事務所など様々な業種に及ぶ。そのほか、高齢者や子どもの福祉行政、家庭や職場での女性問題、消費者問題などを担当する国家・地方公務員、望ましい生活の在り方を子どもたちに考えさせ、実践力を身につけさせる家庭科教員、消費者トラブルに対応する消費生活専門相談員などがある。また、様々なサービス業でも、学んだことを幅広く生かせるのが利点である。

めざす資格・受験資格など

中学校・高校教諭 1 種免許 衣料管理士 消費生活アドバイザー 栄養士 福祉住環境コーディネーター

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 仕事と生活の調和をめざす「ワーク・ライフ・バランス」

「仕事」は、暮らしを支える大切なもの。同時に、家事・育児、近所付き合いや介護などの「生活」も重要で、仕事と生活の両面での充実が、人生の喜びや生きがいを倍増させる。ところが現実には、「労働に追われ、心身の疲労から健康を害したり、精神的に追い詰められる人」「安定した職業に就けず、経済的な自立ができない人」「仕事と子育てや老親の介護との両立に悩む人」など、豊かさが実感できず、将来への不安を抱えながら仕事と生活の間で悩む人が増えている。

その解決をめざす取り組みが「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」の実現。ワーク・ライフ・バランスとは、すべての人が、「仕事」と「仕事以外の生活」との調和をとり、それぞれの人の置かれた状況に応じて、仕事と生活を充実させる働き方・生き方のこと。内閣府の「ワーク・ライフ・バランス憲章」では、この考え方が実現された社会を「人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」とする。充実した仕事と生き生きした生活を両立させることで、雇用者側の企業や家族、その近隣住民もメリットを受けられる。少子高齢化によって労働人口が減少する現在、生活科学の多面的な視点から、仕事と生活の両立を見直す必要がある。

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