環境学

環境学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、環境学に関する興味を広げよう。

あらゆる観点から環境問題を研究する

何が学べるのか

地球温暖化、砂漠化、酸性雨、海洋や大気の汚染、環境ホルモン……。これらは、21世紀の深刻な課題となっている。こうした問題意識の高まりから、途上国への資金支援、環境税の導入など、環境保全に関する取り組みが進められてきた。2015年12月、パリで開催された第21回締約国会議では、2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を採択。2016年11月に発効された。これにより京都議定書以来、18年ぶりに温室効果ガス削減に向けた取り組みが始まった。

環境問題は、地球温暖化などのグローバルな問題から、ゴミ処理やリサイクルなどのローカルな問題までと幅広い。さらに経済、法律とも複雑に絡み合っているため、法整備や政策立案などの社会制度も含めた広い視点からの解決方法が必要とされる。

環境学はこれまで生物学や地学、農学、水産学など自然科学系の学部・学科で主に研究されてきたが、近年は、人文・社会科学系でも研究されるようになり、環境問題に取り組む学部・学科の広がりが予想される。例えば、人と生活環境の相互作用を考察し、人間社会と自然との調和・共生について学ぶ学科や、広い視野で人・企業・地方公共団体・国といった社会の仕組みを捉えつつ、法制度の在り方や環境法などを考えていく学科がある。

一方、理・工学系でも、環境破壊のメカニズムの解明、大気汚染物質を排出しない水素を使った燃料電池の開発、再生可能エネルギーの開発などの多彩な研究が進められてきた。こうした既存の研究に加え、環境計画学や環境デザイン学、環境に関わる現象を解析する環境数理学、マルチメディアを駆使して環境問題にアプローチする情報環境学など、新たな学問領域が注目を集めており、その研究成果への期待は高まるばかりである。このような様々な環境問題に対処できる人材を育成するために、文系や理系の枠組みを越えて学際的なアプローチができる環境学系の学部・学科を設置する大学が増えている。

現代社会が求めるものは、「持続可能な社会の構築」であり、「人と自然が共生できる社会の実現」である。人類の存亡さえ左右しかねない環境問題。法律・経済・文学・理工学・医学などの既存の学問領域を越えた、地球規模の視点から「環境」への探究が始まっている。

学べる学科

  • 環境学科
  • 人間環境学科
  • 環境情報学科
  • 生活環境学科
  • 公共政策学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

実践的なユニット科目は行政への環境政策提案に取り組みます

東邦大学 理学部 生命圏環境科学科 環境管理・創成科学コース 4年
A・Hさん(静岡県立清水東高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI
1 環境分析科学 ユニット科目
2 海洋生態学 保全生態学 環境経済 廃棄物資源循環工学
3 人類学 環境化学
4
5 ユニット科目(環境マネジメント演習)に向けた自主ワーク ユニット科目(環境マネジメント演習)に向けた自主ワーク
6

ひと言コメント

温暖化やオゾン層破壊といった地球環境に関心があり、この学科へ進学。化学、生物、地学、社会科学などを学ぶうちに、「持続可能な社会」という言葉にひかれ、環境と人間社会との共生や調和をめざす環境管理・創成科学コースに進みました。カリキュラムは 1 ・2 年次で幅広い分野を学び視野を広げ、 3 ・ 4 年次で専門性を高めながら実践力を身につけていきます。また、学びのなかで関係ないと思っていた事柄が、実は関わりの深いものだったという発見ができるのも、この学科ならでは。各コースの専門性を高める「ユニット科目」は、街が抱える問題を学生の目線で解決するという市への政策提案を取り組んでおり、社会の仕組みを体感的に学べる価値ある授業です。

気になる授業

東京農工大学 農学部 地域生態システム学科

地域生態システム学III

森林、農村、田園、都市などを含む空間はひとつの連続した「地域」と定義され、そこで人間は生産活動を行い、社会を形づくっている。人間社会を含めた生態系の仕組みを捉えたうえで、持続可能でかつ環境と調和のできる人間活動と技術の在り方を考察する。

環境倫理学

環境問題について共生という自然と人間、人間と人間の在り方から概観。『もののけ姫』や『ギルガメシュ叙事詩』などを参照しながら、共生のものの考え方を適用することで、保護すべき自然や自然保護に対する合意形成をどのようにしていくのかその手がかりを学ぶ。

地域社会システム計画論

山村から農村地域、さらには都市を対象にして、地域への理解を深め、地域をより良いものに変えていく「地域システム」の在り方について講義と討論によって学ぶ。「農山村という地域」「地域振興・活性化とは」「ガバナンスとは」という 3 つのテーマについて検討する。

将来のフィールド

主な活躍の場

土木・建設関連 研究機関 建築環境計画関連 観光・交通 公務員 など

環境問題への関心の高まりもあり、大学院進学率も増えている。就職に関しては、環境系の学問分野が理系・文系にまたがっている性格を反映して、製造、土木・建築関連、建築など就職先も職種・業種ともに多岐にわたる。

公務では、官公庁や自治体のような行政機関、教育機関など。そのほかに、国連などの国際機関、財団法人のような公益法人、環境NGOなど国内外の民間組織が挙げられる。

めざす資格・受験資格など

環境計量士 環境管理士 一級・二級・木造建築士 測量士補

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ ひたひたと静かに迫りくる「水危機」の問題

 国際協力機構「JICA(ジャイカ)」の広報誌『monthly Jica』の2007年11月号によると「世界の人口の 3 分の 1が水不足に直面し、11億もの人々が安全な飲料水を利用できない状態にある」とされ、世界的に水資源の問題が年々深刻になっている。地球は表面の70%が水で覆われているが、ほとんどが塩水なため、人間が利用しやすい地表水は地球上のすべての水のわずか0.01%にすぎない。しかも、地球上の人口は2050年には約95億人を超えると予測されており、水の使用量もさらに大きく増加することになる。その一方で、地球温暖化による気候変動や過剰な開発による砂漠化などで水不足はより深刻化し、食料をはじめ、社会・経済活動に様々な悪影響を与えるだろうといわれている。世界各地ではすでに水をめぐる紛争も起きており、このような水資源問題の解決に向けて、国際的な取り組みが行われている。水は私たちにとっても身近なもの。「仮想水(バーチャルウォーター)」(食料を輸入している国が、その輸入食料を自国で生産した場合、どの程度の水の量が必要になるかを算出したもの)の考え方によれば、ハンバーガー 1 個作るのに約1,000Lの水が必要で、日本は水の消費大国だといわれる。

環境分類のその他系統