児童・子ども学

児童・子ども学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、児童・子ども学に関する興味を広げよう。

理論と実践を通して、子どもを科学する

何が学べるのか

少年犯罪、いじめやいじめによる自殺、偏食、協調性や集中力の欠如、幼児虐待など、子どもに関わる様々な問題が報道・指摘されている。

児童・子ども学は、子どもを心身の成長と発達を複合的な角度から捉え、分析し、子どもの成長にとって良い教育や環境をあらゆるテーマで扱う、学際性の高い学問であり、「人間科学」のひとつとしても位置づけられている。少子化や核家族化が進む社会にあって、家庭・学校・地域、職場や行政機関を含め、社会全体が連携した子育て支援、子どもの貧困対策など、総合的な研究が進められている。なお、児童は厳密には小学生を指すが、学問的には、乳幼児から小学生までを含む。

児童・子ども学は、次の 5 分野を柱とする。「発達・心理」分野は、子どもの発達に応じた心の変化、日常の行動と心理との関係などについて学ぶ。「教育・保育」分野は、児童教育・保育の在り方や、家庭・地域社会との関係について学ぶ。「福祉」分野では、児童を保護育成する現場において起こる具体的な問題に着目しつつ、児童福祉の理念や歴史、実際の養護・療育の在り方などについ て学ぶ。「保健」分野は、病気や栄養など、子どもの心身の健康の維持・促進のための方法について学ぶ。「文化・環境」分野は、童話や絵本といった児童文学をはじめ、子どもたち自身と遊び・行事など、彼らを取り巻く文化・生活・社会・自然環境などとの関わりについて学ぶ。

最近では、子どもたちとの交流を通して具体的にその存在や彼らの問題を捉えようとする「臨床的」視点からの研究が重要視されており、子どもの世界に入って一緒に活動できるコミュニケーション力や行動力も求められる。また、心理学、生物学、工学、経済学、医学などの学問と連携する領域横断的な研究も活発だ。

近年、幼稚園と保育所を連携させる「幼保一元化」、「認定こども園」の新設といった社会的な流れを受け、実践学問としての「子ども学」に取り組む大学が増えている。その結果として、「子ども学」を冠した学部・学科が設置されてきている。人口が減少する一方で、保育所などに入所できない待機児童が増加する日本社会。子どもを取り巻く厳しい現状において、次の社会を支える子どもの健全な心身の発達を支える実践的な研究が進められている。

学べる学科

  • 児童学科
  • 児童教育学科
  • 子ども学科
  • 子ども発達学科
  • 子ども教育学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

子どもの思考や発想などを学んで、教員の持つべき知識を深めます

関西学院大学 教育学部 教育学科 初等教育コース 1年
Y・Nさん(大阪府立豊中高校卒)

1年後期 MON TUE WED THU FRI
1 教職概論 家庭 社会
2 初等教育基礎演習 英語AII 子どもの心理学 科学と文明 基礎音楽
3 情報処理基礎 英語BII(コミュニケーション) 英語学概論 生活と科学 教育制度論
4 子どもと英語II
5

ひと言コメント

小学校の教員免許を取得でき、 1 年次より実習があるため、より実践的な学びができると考え、教育学部教育学科を専攻しました。大学卒業のための必修科目に加え、教員免許を取得するために履修の必要な科目もあり、授業数は多めです。しかし、ほとんどが少人数での授業なので、学生同士すぐに仲良くなれると思います。私がおもしろいと思った授業は「子どもの心理学」です。子どもの思考、発想など、知らないことばかりで、とても勉強になります。また、「子どもと英語II」の授業は、今まで習ってきた勉強としての英語とは異なり、子どもが英語を覚えるプロセスを学びながら、簡単な英会話や発音の種類などを覚えていくというもので、とても興味深いです。

気になる授業

共立女子大学 家政学部 児童学科

子どもと環境_01

幼児期の教育の基本である「環境を通して行う保育・教育」を理解するとともに、保育内容の領域である「環境」について学ぶ。子どもが周囲の環境に好奇心や探究心を持ったり、遊びや生活を広げたり深めたりする経験や、保育者としての援助についても考察する。

音楽表現_01

子どもの表現を育むために必要となる音楽の知識や技術を身につけ、オリジナリティーのある音楽表現ができるようになることをめざす。ピアノ・歌唱の実技レッスンやオリジナル作品の創作を通じて、アンサンブルや創作に必要な能力を高め、音楽表現の幅を広げる。

子どもの生活と遊び(健康)_01

健康についての基本的知識や考え方を身につけ、乳幼児期の心と体の健康についての理解を深める。さらに、乳幼児期の発達に基づいた具体的な遊びや生活の援助について考察し、保育者として子どもと関わるための視点と方法につながる実践を身につける。

将来のフィールド

主な活躍の場

幼稚園・小学校の教員 保育士 認定こども園 教育委員会などの行政関係 児童福祉施設 児童書出版社 など

取得した資格・免許を生かし、幼稚園・小学校の教員、保育士、保育心理士など、子どもと直接関わる職種を希望する人も多い。認定こども園をはじめ、都市部の施設では人材不足が続いている。

教育分野以外でも、教育委員会など児童問題に関わる行政関連の仕事、児童書出版社、テーマパークや子ども向けの企画ができる企業に就職する道もある。また、大学院で児童学分野の研究を行う人や、臨床心理士などをめざす人もいる。

めざす資格・受験資格など

保育士 幼稚園教諭 1 種免許 小学校教諭 1 種免許 児童福祉司(任用) 認定心理士 児童指導員(任用)

こちらから大学情報を検索できます。

学びの最前線を知る!

イマナビ 保育も幼児教育もまとめておまかせの「認定こども園」

「認定こども園」は、幼稚園と保育所の両方の機能を持つ施設。少子化で園児が減少する幼稚園と、共働きやシングル・ペアレントが増えて待機児童が増加する保育所の問題を解決するため、2006年に法制化されたものだが、2015年 4 月より導入された「子ども・子育て支援新制度」で普及が図られ、その数は2014年度(1,360園)から2016年度(4,001園)にかけて大幅に増加している。認定こども園には、保護者の就労の有無にかかわらず入園できる、子どもが異世代交流できる、入園していなくても子育ての支援の場として利用できるなどのメリットがある。新制度によって補助金が減額となる園が出てくるといった経営上の問題なども指摘されていたが、その改善も図られている。

この認定こども園は、幼稚園・保育所の両方の機能を持つ単一の施設として設置されたもののほかに、幼稚園が保育所の役割を担うもの、保育所が幼稚園の役割を担うものなど、いくつかのタイプがある。ただどのタイプにおいても、その職員である「保育教諭」は、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持っていることが原則。今後も認定こども園への期待は大きくなることが予想され、幼稚園の先生や保育士をめざす人は、両方の免許・資格を取得しておくことがおすすめだ。