芸術学・デザイン学

芸術学・デザイン学の学問分野で学べるカリキュラムや将来活躍できる場などを調べて、芸術学・デザイン学に関する興味を広げよう。

表現者、鑑賞者として自分を生かす

何が学べるのか

芸術やデザインは美術館やコンサートホールのなかばかりではなく、住居、家具、コマーシャル、小説、Webサイトやゲームなど、あらゆるところにあふれている。

芸術学系の学部・学科では、美術、音楽、デザイン、映像、建築、染織などの分野で実技を中心に学ぶ。実技を裏打ちする理論や技術を学びながら、実際の制作や演奏などの指導を受けつつ、様々な表現技術を体得し、最終的にはおのおのの個性の表現に到達することをめざす。ほかに文芸、演劇、写真、放送、映像、書道などの分野もこの学系に含まれ、美術や音楽の枠を超えた、様々な芸術表現を理論的知識の修得と作品制作を通じて学ぶことができる。また、芸術事業をプロデュースするアートマネジメントを学んだり、美術史、芸術学や音楽学といった芸術一般について理論を中心に学ぶ学科もある。

デザインを中心に学ぶ学部・学科では、人々や社会が求めるものを知り、現実の生活や社会に役立つものを立案・設計し、実際の制作までを学ぶ。家電製品や情報機器、広告や雑誌、ファッションや舞台、インターネット上のコンテンツなどの多様な分野で、持つ感動や使う喜びなどを感じられるデザインに取り組む。ただし、自己表現や芸術作品を追究する芸術分野におけるデザインとは異なり、自分の感性と技法を生かしながらも、外観や使い勝手をデザインから改善したり、快適性や機能性を高められる実務性のあるデザインを追究する。

近年では、スマートフォンやタブレット端末などの情報発信ツールが普及しており、芸術やデザインにおいてもコンピュータを使ったデジタルメディアによる表現が多用されるようになった。新しい技術と伝統的な技術をどのように選択し、融合させていくかは、この分野で学んでいく際の重要なテーマとなる。

時代や地域、社会など背景が変われば芸術の概念も変わってくる。映画や写真やコンピュータも、芸術のために発明されたわけではないが、現在ではいずれも芸術を語るうえでは必要不可欠なもの。また、バリアフリーの建築や環境に配慮した製品の開発など、工学・環境・福祉といった異なる学系との連携も必須である。芸術やデザインに関わる人は常にユーザーの声に耳を傾け、自問し、社会に問いかけ続けていかなければならない。

学べる学科

  • 芸術学科
  • 美術学科
  • 音楽学科
  • デザイン学科
  • 造形学科 他

どのように学ぶのか時間割をチェック

デザインの持つ可能性と奥深さを追究することができます

武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 4年
E・Mさん(東京都 私立雙葉高校卒)

3年後期 MON TUE WED THU FRI SAT
1 イラストレーション 環境デザイン(会議) 環境デザインII-A
2 情報文化論
3 デザイン特別演習I 教師論B 環境デザイン(会議)
4 視覚伝達デザイン表現演習(映像デザイン)
5
6 環境デザイン(会議)

ひと言コメント

私は、デザインの持つ、視覚でメッセージを伝達することの可能性や奥深さにひかれ、視覚伝達デザイン学科を第 1 志望にしました。視覚伝達デザイン学科は、グラフィックやパッケージなど、いわゆる平面のデザインだけでなく、実際に町に出ながら様々なジャンルのデザインについて学べます。特に、地域の方々と協力して進める「環境デザイン」という授業は、この学科の魅力がつまった科目のひとつです。授業時間外や放課後にも、学生や地域の人たちとの会議を重ね、ワークショップや活動内容そのもののデザインをしていきます。会議とともにフィールドワークも重要な要素となっていて、実際に小平の地域をテーマに、手と足を使って学ぶことができます。

気になる授業

東京藝術大学 美術学部 デザイン科

デザイン原論I

自然、風土、伝統、文化および素材、技術、情報といった様々な創造行為の基礎基盤として設定されるものについて、視覚、映像、空間、環境など異なるメディアを通して考察。デザインのあるべき原点とこれからのデザインの道筋を学ぶ。著作権についても理解を深める。

プロダクトデザインI

IT技術の発展に伴い、デザインの方法論・プロセス・表現・情報伝達技術にも大きな変化が起きている。こうしたプロダクトデザインが直面する様々な問題について理解を深め、今後のプロダクトデザインの果たすべき役割を考察していく。

ビジュアルデザインII

情報を整理・編集・可視化することで新たなコミュニケーションの可能性を生み出すビジュアルデザインの方法論を学ぶ。論理的フェーズ、実践的フェーズの双方の観点からグラフィックデザインの原点を引き出し、総合力を向上させることをめざす。

将来のフィールド

主な活躍の場

一般企業の広告宣伝部門 デザイナー カメラマン 放送・マスコミ 出版・印刷 建築・インテリア Web制作 学校(教員) 博物館、美術館 など

プロの作家や演奏家になれるのはほんの一握り。一般企業への就職では、広告宣伝部門、デザイナーやイラストレーターなど、制作に携わる人が多い。中学校や高校の教員、文化講座講師など教育関係に進む人もいる。

理論系の学科の場合、ほとんどが一般企業に就職するが、画廊や美術系出版社など芸術に関わる職種に就く人もいる。なお、博物館・美術館の学芸員は人気が高く、大学院修了後に挑戦する人もいる。

めざす資格・受験資格など

中学校・高校教諭 1 種免許 カラーコーディネーター CGクリエイター検定 学芸員 ウェブデザイン技能士 インテリアコーディネーター

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学びの最前線を知る!

イマナビ 最新テクノロジーで広がり、変わる芸術の世界

2016年、オランダの画家レンブラント(1606~1669年)のタッチや色使い、構図の特徴まで、あらゆるデータをAI(人工知能)に学習させ、まるでレンブラントの作品そのものであるかのような絵画を制作するというプロジェクトが展開。「レンブラントの新作(!?)」が350年ぶりに描かれたことがニュースになり、「芸術の概念や創作が変わる」と美術関係者の間で話題となった。

この絵画の制作において、AIに学習させた情報を実際に描き出す際に用いられたのは、 3 Dプリンタ。絵画は平面のもの、と考えている人は多いかもしれないが、実際は何度も絵具を重ねて描かれているため凹凸があるもの。それを表現するにあたって、 3 Dプリンタが適していたというわけだ。

芸術分野で 3 Dプリンタが活用されている例はほかにもある。フィンランドでは、視覚障がい者向けの“触れることのできる絵画”が考案された。『モナ・リザ』などの有名な古典絵画を 3 Dプリンタで再現し、視覚障がい者が触って絵画鑑賞を楽しめるようにしたのだ。日本でもこのような取り組みがあり、葛飾北斎の絵などが3 Dプリンタで再現されている。

今や最新テクノロジーの進歩によって、これまでにない芸術の可能性が広がっているといえるだろう。